06/12/22 03:14:48 UD3TDWkn0
1.「日本は人口減少、世界は人口増加」は正しいか?
確かに、世界全体の人口は増加を続けるであろうが、大多数の国に
それが当てはまるという訳ではない。2050年の人口が現在よりも少ない
と予測されている国は日本以外に48カ国も存在する。今後10年以内に人口
減少に転ずる国に限定しても、日本のほかに28カ国がそれに該当する。
2.高齢化進行は日本が最速か?
ところで、高齢化進行の速度を測る指標としては、「倍化年数」、すなわち、
「65歳以上人口の割合が7%から14%に到達するまでの年数」がしばしば
用いられる。これまでの実績値で国際比較する限り、1970年から1994年の
24年間という日本の記録が世界最短である。(中略)
ただし、それが当てはまるのは、これまでの先進国に関してのみである。
今後は、日本と同程度かそれより短い「倍化年数」を記録する国が続出する
見込みだからである。例えば、シンガポールの「倍化年数」は16年、韓国は
17年と予測されている。「倍化年数」30年以下と予想される他の国や地域を
列挙すると、ベトナム、タイ、メキシコ、インドネシア、フィリピン、中国、台湾、
ペルー、ブルネイ、マレーシア、チリなどアジアと中南米の新興経済国の
大半が該当する。
3.移民受け入れで問題解決するか?
実は、この問いに対しては、5年前の2000年に国連が発表したレポートが
実に明解な解答を提示してくれる。(中略)
例えば、総人口維持を目標とするシナリオ3において、日本が必要とする
移民数は2050年までの累計で1714万人であり、生産年齢人口(15~64歳人口)
維持を目標とするシナリオ4においては、累計3233万人もの移民を必要とする。
そして、高齢化自体の回避を目標とするシナリオ5においては、2050年までに
累計5億2354万人、期中の年間平均でも1047万人の移民が流入することに
よってのみ、老年人口に対する生産年齢人口の比率が維持される。それも、
世界的に高齢化が進行する状況においてである。
URLリンク(www.nli-research.co.jp)