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★三洋信販全店、１２日間の業務停止命令 取引履歴改ざん
東証１部上場の消費者金融大手で「ポケットバンク」を展開する三洋信販（本社・福岡市）が取引履歴
を改ざんしていた問題で、金融庁は２０日、同社に対し約９２０ある全店の業務を０７年１月１５～２６日の
１２日間停止するよう命令した。過払い利息の返還額を減らすため幹部が利息の計算書類の偽造など
５３２件の違法行為をしており、内部管理態勢の抜本的な改善が必要と判断した。今年に入り消費者
金融大手への業務停止命令は３件目で最も重い処分になる。
松本睦彦・同社社長は記者会見し、「コンプライアンス（法令順守）意識が十分浸透していなかった」と
謝罪。自らの報酬を３カ月間、３０％減給とするなど８人の役員全員を処分したと発表した。営業停止
期間中も返済は受け付ける。
金融庁によると、０４年１月～０６年４月に同社が受けた過払い利息の返還請求約４万７０００件を調べた
結果、本社の課長らが４９７件で取引履歴の一部期間を違法に隠し、３５件は開示を不当に拒否していた
ことがわかった。同社は８月、社内記録を改ざんして裁判所に虚偽の書類５６件を提出したと発表したが、
発覚した違法行為は１０倍近い。
取引履歴は、消費者金融の顧客が、利息制限法の上限を超えるグレーゾーン（灰色）利息の返還を
業者に求める際、計算の根拠となる。
金融庁は同社の人事評定に利息返還額の抑制を評価する項目があったことや、同課長が７年間同じ
担当をして監督の目が行き届かなかったことなど、内部管理態勢に重大な問題があったと指摘。被害が
広範なことから厳しい処分を決め、法令順守を経営の最優先課題とするよう求めた。
違法行為による被害額は明らかになっていないが、同社は０７年２月末をめどに全額を顧客に返還する
方針。
朝日新聞 2006年12月20日20時46分
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画像：業務停止命令を受け、会見で頭を下げる三洋信販の松本睦彦社長（左から２人目）ら経営陣
＝２０日午後５時３０分すぎ、福岡・天神の福岡証券取引所で
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