06/12/15 07:35:48 0
少し前の話になるが、11月19日に投開票が行われた沖縄県知事選では、与党系の
仲井真弘多氏が当選した。2ちゃんねるには早速、スレッド(特定の話題を扱う掲示板)
が立ち、翌日までに4500以上のレス(返信)がついた。
その内容の大半は「サヨクの嘆きが哀れだわ」と結果に満足するもの。小沢一郎代表を
嘲笑うようなアスキーアート(パソコン文字を組み合わせて作成した絵)も出て、
それなりに盛り上がった。一方、「買収国家日本万歳」などといった野党支持層の
書き込みは散発的で、流れを作ることはなかった。
もっとも、これは見る前からある程度、予見できたこと。記者自身もむしろ、
この反応が見たくてスレッドを開いたに過ぎない。ただ、そこに知的な刺激はなかった。
すでに“中途半端な若者”となった記者が最近気をつけているのは“頭の固い大人”に
ならないこと。たまに、若いころに培った感性を大事に守り続けるあまり、思考の
柔軟性を失ってしまった人を見かける。それは結局、時が経つほどに、絶えず変化する
「現代」との乖離(かいり)を生じさせ、時代の「風」を感じ損ねることにつながるだろう。
ネット掲示板にも、同じことが言える。かつて「2ちゃんねる」がまだ草創期のころには、
半島や大陸に対することをはじめとする、歯に衣着せぬ物言いの書き込みに共感し、
勇気づけられたりもしたが、何年もそればかり見せられると、さすがにうんざりする。
社会学者の北田暁大氏は『嗤(わら)う日本の「ナショナリズム」』(NHK出版)の中で、
2ちゃんねるを「ポスト80年代に特有な現象」と評価している。ならば、
「ポスト90年代」を体現することには、ならないのだろうか。
すでにネット掲示板利用者の中には、物心ついた頃に同時多発テロが起きた、という
若い世代も含まれよう。彼らの新しい感性で流れを作る2ちゃんねるを、これからは
見てみたい。
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