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神奈川県警港北署に一時的に保管されていた自転車を無断で持ち出し、乗っているところを
職務質問された同署の30歳代の巡査長を不問とした署長らに、県警監察官室が窃盗容疑で
再捜査を指示していたことが11日わかった。
署長らは「判断は間違っていない」ともみ消しを否定しているが、県警は巡査長を書類送検し、
署長らを処分する方針だ。
調べによると、巡査長は港北署地域課に所属し、10月28日午後、横浜市神奈川区の
自宅近くで、署から持ち出した自転車に乗っていたところ、神奈川署員に職務質問された。
巡査長のカバンからはドライバーなどの工具や壊れた自転車のカギが見つかった。
巡査長は署に同行を求められ、警察官であることを明かし、「廃棄処分される予定で、数日前、
自宅に持ち帰った。一番新しい物を選んだ」と話した。自転車は、放置自転車で処分のため
業者に渡すまで一時保管されていた。
その後、港北、神奈川両署長が電話で、「(放置自転車は)財物ではないので犯罪ではない」
と立件しないことを決め、県警にも報告しなかった。県警監察官室が12月、この件を知り、
「署の管理下にある自転車で、無断で持ち出せば窃盗」と再捜査を求めた。
佐藤栄治・神奈川署長は「一般人であっても同じ判断をした。報告するまでもない事案だ。
今もその判断は間違っていない」と話し、田中秀幸・港北署長は「ゴミの自転車を
持ち出したので窃盗にあたらない」としている。
神奈川県警では2005年、緑署副署長(当時)が駅前の放置自転車に乗っていたとして、
占有離脱物横領容疑で書類送検され、辞職した。
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