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那覇市与儀の新城勇光さん（６５）宅の庭で栽培されている台湾バナナが、
毎年１２月に鈴なりに実り、親類らを喜ばせている。バナナは１３年前に亡く
なった新城さんの父勇一さんが丹精を込めて育てていたもの。亡き父の思
い出にと栽培を続ける勇光さんは「４、５年前からよく実を付けるようになった。
天国のおやじが見ていてくれているからかな」と目を細めた。
海洋博記念公園内熱帯ドリームセンター植物課の久高弘輝さんは、「バナナ
は年中実が付くが、通常は夏場がピーク。冬場に鈴なりに実が付くことは珍しい
」と話した。
転勤で全国各地に赴任した勇光さんと妻の加代子さん（５８）。父の勇一さんと
トミ子さん夫妻が留守を預かり、家庭菜園に励んだ。台湾バナナは２０年ほど前に
勇一さんが植えた。１０年前に勇光さん夫妻が赴任先から戻ったが、既に父母は
亡くなり、バナナなどの家庭菜園が残った。
「庭を駐車場に変えようとも思ったが、おやじの思い出のバナナを大事に育てよう
と思った」と勇光さん。農薬を一切使わず、毎年土を入れ替え大事に育てている。
バナナは１０本ほどに増え、４、５年ほど前から毎年、一本に２００本ほどを実らせる。
きょうだいや隣近所におすそ分け。苗も親類に株分けし、“おやじバナナ”の“子孫”も増えた。
「親類にも『これだけは倒さんでくれ』と言われる」と勇光さん。「おじいちゃんのバナ
ナは甘くておいしい。配り先にも評判がいい」と加代子さんも笑顔で話す。
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