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・政府の経済財政諮問会議が30日開かれ、労働市場改革「労働ビッグバン」として、一定期間後に
正社員化することを前提としている現在の派遣労働者のあり方を見直す方向で検討に入った。
この日は、派遣契約の期間制限の廃止や延長を民間議員が提案。期間が無期限になれば、
派遣期間を超える労働者に対し、企業が直接雇用を申し込む義務も撤廃されることになる。
諮問会議では専門調査会を設置して議論を深め、労働者派遣法の抜本的な改正などに
取り組むことにした。ただ、今回の見直しは、派遣の固定化をもたらしかねず、大きな論議を
呼びそうだ。
諮問会議では、八代尚宏・国際基督教大教授や御手洗冨士夫・日本経団連会長ら民間議員4人が、
「労働ビッグバンと再チャレンジ支援」と題する文書を提出。労働者派遣法の見直しを始め、外国人
労働者の就労範囲の拡大、最低賃金制度のあり方や育児サービスの充実などを検討課題として
提案した。
なかでも注目されるのが、派遣労働者に関する規制だ。現在は派遣期間に最長3年といった
制限があり、長期間働いた労働者への直接雇用の申し込み義務も企業側に課せられている。
民間議員らはこの規制があるため、企業が正社員化を避けようと、派遣労働者に対して短期間で
契約を打ち切るなど、雇用の不安定化をもたらしていると指摘。規制緩和で派遣期間の制限をなくす
ことで、「派遣労働者の真の保護につながる」と主張している。
しかし、「企業が労働者を直接雇用するのが原則」という労働法制の基本原則に深くかかわる。
戦後60年近く守られてきたこの原則に関する議論になりそうだ。
労働ビッグバンの目的には「不公正な格差の是正」も掲げられている。正社員の解雇条件や
賃下げの条件を緩和することで、派遣、パート、契約など様々な雇用形態の非正社員との格差を
縮めることも、検討課題になりそうだ。
連合などは労働ビッグバンについて「労働者の代表がいない場で議論されており、企業側に
都合のいい中身になる」と警戒を強めている。(一部略)
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