06/12/01 13:20:02 tLuPlh6R0
これ書いた人上手いと思うw
116 : ◆MoMoYSbap6 :04/02/08 22:03
さて『桃』が鬼が島へ向けて歩いていると
前から犬がやってきて言いました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた黍団子を一つ下さいな。」
さて『桃』は困りました。
まず自分の名前は桃太郎ではない事をこの犬に説明しなければなりません。
しかし『桃』は自分の名前を説明する事に疲れていました。
これまでの人生は短いものでしたが、自分の『桃』という名前が
どうやら一般的ではないという事に気付いていたからです。
自分の名前を説明し終えた時の、相手のなんとなく釈然としない、
しかも幾分哀れみを含んだ表情を見るのがたまらなく嫌なのでした。
「ありがとう、桃太郎さん。お礼に鬼が島へお供しましょう」
結局、『桃』は自分の名前を訂正させるのを止してしまいました。
さて、『桃』はその後同じように猿、雉をお供にしましたが、
雉をお供にするのは一苦労でした。雉は雌でした。
「桃太郎さん、私達は桃太郎さんから黍団子をいただきましたが
代りに私達は鬼が島へお伴をします。つまりこれは契約関係にあるのであって
桃太郎さんと私達には上下関係があるわけではありません。」
正直言って『桃』は雉が何を言いたいのか、よくわからなかったのですが
「うむ、わかった、わかった」
と答えておきました。兎に角鬼が島へ早く行きたかったからです。