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・太平洋戦争末期に、旧日本軍がフィリピンのミンダナオ島で行った捕虜の生体解剖を、
元海軍衛生兵の牧野明さん(84)=大阪府枚方市=が25日までに証言した。
戦時中の生体解剖は旧満州の731部隊や九州大病院のケースが知られているが、
フィリピンで行ったという証言はこれまでなかったという。
夢に見るなど苦しみ続け、「なぜ今更」と証言に反対する戦友もいたが「このまま埋もれ
させては亡くなった人が浮かばれない」と決意。
牧野さんは海軍の医務隊に所属。1944年8月、ミンダナオ島に配属された。生体解剖が
始まったのは同年12月。22歳だった。「捕虜を連れてこい」。上官の軍医に命じられ、
米軍スパイとして捕まった住民男性2人を連れて行くと「これから解剖する」と告げられた。
おびえきった2人に服を脱ぐよう命じ、手足を手術台に縛りつけた。エーテルをかがせると、
数分で意識を失った。「おれが死んだらおまえが治療をしなくてはならないから」と軍医に
言われ、震える手で腹にメスを入れた。「これが肝臓だ」。軍医に示されたが、頭に
入らなかった。「命令とはいえ、罪のない者に何とむごいことをしているのか」。心の中でわびた。
手足の切断、血管縫合、開腹手術-。女性や子どもを含む約30人が犠牲になった。軍医の
「おい、やるぞ」という一言で始まり、息を吹き返すことがないよう最後にロープで首を絞めた。
遺体は部下が運び出して埋め、解剖は医務隊だけの秘密にされた。
「命令に逆らえば殺される。そんな時代だった」と牧野さん。
牧野さんは数年前から枚方市の小中学校で語り部活動をしている。「生々しすぎ」生体
解剖の話はしなかったが「こんな悲惨なことを二度と繰り返してはいけない。1人でも
2人でも戦争の真実を伝えていきたい。機会があれば、償いの証言を続ける」と話す。(一部略)
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・【社会】 "住民を生きたまま解剖" 手足切断、開腹手術…大戦末期、フィリピンでも。元衛生兵が証言★4
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