06/11/24 10:15:10 0
上智大学名誉教授の渡部昇一さんが数年前、テレビで鼎談(ていだん)したときのことだ。
相手のひとりが「相続税を100%にすれば景気が良くなります」と言う。唖然(あぜん)と
した渡部さんはこう切り返した。「同じことを言った人がいましたね。マルクスという人です」
▼渡部さんが大阪の「正論」懇話会で披露していた話である。100%の相続税とは、私有
財産をほぼ否定するに等しい。100年以上も前にカール・マルクスが唱えた社会主義の理論
ではないか。それを今ごろまじめに持ちだすことへの痛烈な皮肉だった。
▼旧ソ連をはじめ世界中でとっくに破綻(はたん)、もしくは形骸化した社会主義が唯一息
づいているのは日本だといわれる。いや「格差社会是正」の大合唱でますます元気なようだ。
渡部さんは「ソ連崩壊後も、旧社会党の人が首相や衆院議長になった国ですから」と嘆く。
▼健全な保守二大政党の片方を目指すはずだった民主党も今「社会主義」の亡霊にとりつか
れている。沖縄の知事選で共産党などと共闘する。そのため衆院での教育基本法採決をすっぽ
かし、国会を空転させる。やってることは「昭和の社会党」と少しも変わらない。
▼参院での教育基本法審議には、日教組出身の議員4人を先頭に立てるという。日教組に
対しては今も「偏向教育」といった批判が根強い。旧社会党の最も有力な支持団体だった。
その日教組の意向を前面に出し政府・与党と対決しようということのようである。
▼その民主党の小沢一郎代表は記者会見で、自民党の郵政造反組復党の動きを「何でもあり
の政党だ」と批判したそうだ。まったくその通りである。だが自民党側から「そっくりお返し
します」と言われたら、いったいどう答えるおつもりだろう。
■ソース(産経新聞)
URLリンク(www.sankei.co.jp)