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・「日雇い派遣」という働き方が急増中だ。人材派遣会社から仕事の紹介を受け、日替わりで
派遣先で働く。連絡は携帯電話やメールだから「ワンコールワーカー」とも。規制緩和で派遣
職種が大幅に広がったのを機に、若者やリストラされた人たちがすぐに現金を手にできる
この仕事に流入している。低賃金で仕事がないときの補償もない不安定な立場だ。
横浜市の男性(42)は携帯が命綱だ。派遣会社に電話して働きたい日を予約する。仕事が
決まれば集合場所を携帯で告げられる。解体作業手伝い、イベント会場設営…。収入は多く
ても月13万円ほど。
3年前、妻と長女を妻の実家に残し、条件の良い仕事を求めて上京した。だが仕送りはできず
アパートの家賃すら滞る。雇用保険なし。国民健康保険料も年金保険料も払えない。
「ちゃんと就職するまでのつなぎのつもりだったが…」
妻子の顔は5月から見ていない。「いつか呼び寄せたいけど、今は養っていける状態じゃない」
神戸市の女性(23)は週5日のバイトのほかに、日雇い派遣を週2日している。
箱を開け、ミネラルウオーターを取り出し光にかざす。不純物がなければまた箱へ。
5分間で30本。立ったまま正味7時間。日当5600円、交通費込みでだ。
「腕も腰も痛い。寝る時に目を閉じてもチカチカする」
週休ゼロで手取りは計月14万円。家賃や食費、水道・光熱費、携帯電話代を引くと手元に
残るのは1、2万円だ。片道3時間かけてバスで岡山に行ったことも。作業8時間でも14時間
拘束。働いた日に金を手にできる。それだけが魅力だ。
京都に住む男性(30)は大学院に進学できず、派遣の道へ。工場で午後7時から翌朝7時まで、
立ちっぱなしで検品、箱詰め作業。日当9900円。残業も多く、片道2時間近くかかるため、
連日働くのは無理だ。月収は約12万円。貯金は10万円だ。 早く抜け出したいが、最近受けた
面接では「正社員の経験がない」と落とされた。ただ月給仕事に就けても給料までの1カ月を
しのげない。「1カ月後の10万円より明日の5000円を取らざるをえない」(一部略)
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