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日本の治安は回復に向かっているのかを巡って論争が起きている。法務省は7日、06年版
犯罪白書を公表。白書は犯罪認知件数の減少など指標面での好転を認めつつ、なお「治安は
改善したとはいえない」と逡巡(しゅんじゅん)する。一方「そもそも治安悪化そのものが
幻想だ」との見方も有力で、「治安」の概念自体が揺らぎ始めたと言えそうだ。
(中略)
一般刑法犯の76%を占める窃盗は前年比12.9%減。件数で25万6502件減り、
全体の数字の減少を牽引(けんいん)している。
「治安悪化の指摘で地域の防犯活動など治安意識が高まり、監視カメラが普及した」。
結果、窃盗のような「人の目に見えやすい犯罪」が減ったという。「いくら数字が改善
しても、凶悪犯罪が次々と起きる中、国民の『体感治安』が改善したといえるでしょうか」
(中略)
「そもそも悪化しているのは体感治安であって、客観的な犯罪情勢ではない。これまでの
白書のデータでも明らかだ」と話すのは龍谷大の浜井浩一教授(犯罪学)。03年まで法務
省勤務。白書を執筆したこともある。
例えば、外国人犯罪。白書は「手荒で組織的な犯罪の増加は国民の警戒心や不安を急速に
高めている」と指摘。一般刑法犯の検挙は02年以降増え続け、05年は4万3622件と
過去最多だった。
だが、総検挙人員に占める外国人は3.8%。「外国人すべてを日本から追い出したと
仮定しても、どの程度犯罪が減るでしょう」と浜井教授。
(中略)
成城大の川上善郎(よしろう)教授(社会心理学)は次のように分析する。
行政の不審者情報の通知サービスや銀行の指認証システムなどを見聞きする市民は「治安
対策が盛んなのは、治安が悪いからだ」と不安になる。その不安感をすくい上げた行政が―。
「そういったループがものすごい勢いで進んでいる」
■ソース(朝日新聞)(中略部分はソースで)
URLリンク(www.asahi.com)