06/11/03 23:49:58 jm0ZpLqi0
俺達の家族の人権は、誰も助けてもくれずに誰も守ってくれなかった。
あれは俺が16歳のころの出来事だった。
夕方、仕事を終えて自宅に戻ってきた親父の目が鬼のようで
肩が怒りでブルブルと震えている。
親父の身に一体何が起きたのか俺にはわからなかった。
親父は玄関に入るなり、「もうダメだ・・・終わった。」
「警察も労働基準局も市の同和対策課も全然動いてくれない・・・」
「三千万はやられた・・・」
親父は怒りに震えた声で俺やそばにいた母親に告げた。
そして親父は、ヤケ酒をあおり始めた。
母親も親父の言葉を聞いて、顔から笑顔は消え失せてひどく落ち込んでいる。
俺には何のことかさっぱりわからなかった。
しかし、落ち込む母親から事情を聞いた俺は、なぜ親父が怒りに震えているのかが理解できた。
親父は自営業で小さな個人会社を経営していた。
そして最近の大きな仕事が同和対策事業による建築工事の請負仕事だった。