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人材派遣大手のフルキャスト・グループ(東京)が、派遣で働くために登録する
スタッフの体形など容姿に関する情報を無断で、個人データとして保存していたことが
19日、労働組合「派遣業関連労働者ユニオン」(派遣ユニオン)の調べで明らかに
なった。厚生労働省は労働者派遣法に基づき、容姿などは「差別的評価につながる情報」
として収集を禁じている。同社もこの事実を認めている。東京労働局も近く調査する。
フルキャストのスタッフ登録をしている派遣ユニオンの関根秀一郎書記長が、
自分の個人情報の開示を同社に求めて判明した。個人情報には、住所や連絡先の
ほか「風貌(ふうぼう)」の欄があり、「太め」「容姿老」「容姿優」「不潔感」「茶髪」
「スキンヘッド」や、容姿に関連して「虚弱体質」「言葉使い悪」などの印象を含めて
20のチェック項目があった。
派遣ユニオンは同日、フルキャスト本社(東京都渋谷区)を訪れ、個人情報の扱いや
労働条件の改善を求める要求書を提出した。関根書記長は「働く人を商品扱いする内容で、
差別や人権侵害につながる」と批判している。
東京労働局では「本人の能力に無関係の個人情報であり、事実であれば、是正指導に
入る」と話す。フルキャストは92年設立。同社によると、グループ連結売上高は672億円
(05年度9月期)、グループの登録スタッフは140万人を超える。
厚労省の通達には「容姿、スリーサイズなど差別的評価につながる情報」は、
家族の職業や支持政党などと並んで収集してはいけない情報として明記されている。
フルキャスト広報室は「街頭の販売促進などで若く見えるスタッフの方がいいと
言われることがある。お客様(派遣先の企業)の要望に応えるための項目だった。
しかし大変失礼な内容だったと思うので、データ利用を停止し、早急に削除したい」
と話している。
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