06/10/18 21:47:48 78Nmf4eZ0
ここは何処だろう―。柔らかくて、温かくて、眠気を誘われる場所。
この動いているものは手? 頭? 足? 手がかりはここにある。ずっと昔から続いてきた「なにか」。
いったい僕はナニ?
遠くでゆっくりとした僕に語りかけるような鼓動が伝わってくる。
どんどんここは手狭になって、外の広い広い世界へと押し出される
のかもしれない。いったい外はどんな景色が広がっているのだろう。
生き物が自ら動き出し、母なる海から陸に上がり自分の足で歩き
出したように、僕にもまた「その時」が訪れているようだ。
僕が今いる部屋はちょっと変わっているようだと誰かが言っている。
そしてまた別の声がする。
「あなたのおかげでいのちをつなぐことができました」―。
その声の主についてのかすかな記憶が、僕にはある。
もし今の時代、今のこの国にいなかったとしたら、
僕の命のらせんは続いていたんだろうか。
ついに外へ出た。眩しい光の中、僕の人生は始まった。
どうやら僕はお母さんのお母さんから出てきたらしい。
僕の周りでは前から知っている人たちが笑顔で力を与えてくれる。
さっきの声の主は僕のお母さんだ。となりで笑っているのはお父さん?
まわりの人たちは騒がしいようだけど、
僕の大切な人たちが笑っていれば僕は満足だ。
命のらせんをつむぐ人たち。あるいはまたその先へ―。
ありがとう お母さんのお母さん。