06/10/16 04:06:24 0
・都心でタクシーを拾った。中年の運転手君、次のような体験を話した。
先夜、赤坂で三十七、八歳、OL風、ほろ酔い加減の女性客を乗せた。
「K市(東京都)に行ってちょうだい」と言われ、車を走らせた。K市に入ったので、客席を振り向き、
「お客さん、どのあたりでしょうか」と声を掛けると、しどけない姿で寝込んでいた女性が、パッと
目を覚ますなり、「あんた、見たでしょ。セクハラよっ!」と甲高い声をあげたのだ。運転手君、あわてた。
「とんでもない」としどろもどろをいいことに、女性は自分の行儀の悪さなどお構いなく、「だって、あんた
わたしの足のほう変な目で見てたじゃないの。訴えてやる」とカサにかかって言いつのる。
「なんとかなだめて、降りてもらいましたけど、酔っぱらいの女性はもうこりごりですわ」
以前は、女性側から「タクシーに乗ると、『お茶でも』と誘ってくる運転手がいるので気味悪い」
などとよく聞かされたものだが、いまは逆転している。
この中年運転手の災難話で、四、五年来、漠然と感じていた〈異変〉が確実に進行している、と
思わざるをえなかった。
それから数日後、〈お抱えタクシー〉事件が起こり、大きく報じられた。やはり東京都下、町田市の
恐喝事件で、中学三年、十五歳の少女らが、資産家で一人暮らし、八十七歳の男性に包丁を
突きつけ、「一四〇万円ほしい。早くしないと刺すぞ、やい、じじい」などと脅し、一〇〇回近くに
わたって一四三〇万円も奪った、という信じがたい事件だ。主犯格の少女は、「一〇〇〇円以下は
金じゃない」と千円札を燃やし、豪遊していた。不良少女の恐喝は何度も聞いたことがあるが、
こんなのははじめてだ。私がショックを受けたのは、お抱えのタクシーを使い、長野県の親戚の
家を往復して、一六万円も支払っていたことだった。
しかも、運転手は女性、どんな気持ちで少女に付き合ったのだろう。それよりも脅し取った金で
大人を雇い入れる少女の神経は、理解をはるかに超える。(>>2-10につづく)
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