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★北朝鮮の核実験 暴挙に強く抗議する
日本のすぐ隣の独裁国家が、核実験をしたと発表した。詳細はまだよく分からない。
はっきりしているのは、東アジアの、世界の緊張が一段と高まったということだ。
北朝鮮は自国の安全を守るための抑止力だと言っている。果たしてそれだけか。拉致
などの国家犯罪やテロにさえ手を染め、国際ルールを踏みにじってきた国だ。さまざま
な無理難題を通す脅しにも使おうという核ではないのか。
(中略)
北朝鮮の問題はもとより、6者協議に参加した日本や米国、韓国、中国、ロシアの思惑
がバラバラで、切迫感が十分ではなかったとも言えないか。とくに打開の鍵は米朝協議だ
ったのに、この事態を招いたブッシュ政権の責任は重い。
なぜ北朝鮮は核武装に突き進んだのか。核を持たなかったイラクのフセイン政権の末路は、
反面教師として映ったはずだ。経済建設をめぐる韓国との「体制競争」に敗れ、それでも
なお体制を生き残らせるために選んだ道なのだろう。
(中略)
国連決議だけで問題は解決しないだろう。圧力を加えつつ、出口に導くための外交戦略が
欠かせない。安倍首相は制裁に前向きのようだが、どうやって出口にたどり着くのか、展望
を語るべきだ。
これまで交渉の窓口になってきた6者協議は崩壊状態だが、日本と韓国、中国に米国などが
加わった地域的な取り組みは必要だ。どの一国だけでも問題を解決できないのだから、関係国
が協調し、結束していくしかない。
その意味で、首相の中韓歴訪で小泉時代に崩れた首脳間の信頼回復に糸口が得られたのは幸い
だった。過去の反省を踏まえて、米国には改めて建設的な関与を求める。北朝鮮を交渉の場に
引きずり出すには避けられないことなのだ。
たとえ不信感がぬぐえない相手であっても、交渉しなければ事態は進まない。
■ソース(朝日新聞)
URLリンク(www.asahi.com)