06/10/07 19:44:01 DYCZFvF60
なぜオウム真理教が、“ウリセン”と関係しているのか、その詳細をも合わせて聞かせてくれた。
「それにオウム真理教には、大物政治家もバックについてるそうよ」
ママの一人がそう言って、その政治家の名前を口にした。
石原慎太郎であった。
「それ、本当なの?」
私は思わず訊き返した。
「それぞれが関係のない何人もの者から、同一人物の名を聞かされているわけだから、
私は本当だと思うわよ」
「オウム真理教と石原慎太郎? どこでどういう繋がりができたんだろう……」
「そこまで知らないけどさあ。昔から新宿2丁目で流れる噂は、99パーセント本当のことが多いのよ」
「なぜ?」
「ここには、いろんな分野の人たちが集まってくるけど、その人たちって、
職場でも家庭でも仮面をかぶって生きているから、2丁目に来た時だけ真から裸になれるわけよ。
だから、すべてに本音が出るんじゃないの」
ママの熱弁に耳を貸しながらも、その時の私は何となく聞きながしていた。
数日後、私は村越と言う初老の男と都内で会った。
村越は、鳩山邦夫代議士の元秘書で、現在も政治に関連した仕事をしている。
「今世間をさわがせているオウム真理教に、政治家がからんでいるって言う噂があるけど、
本当なのかな?」
私は、世間話にかこつけて訊いてみた。
「石原慎太郎のことかい?」
村越もまた、ママと同じ政治家の名前をストレートに口にしたのである。
(青木栄司『ガラスの橋を渡るとき』1995年、イースト・プレス刊)より
ま、一応貼っとくね