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「26年間踏みつけられてきた姉の無念を晴らしたい」との願いはかなわなかった。
請求額のわずか56分の1にすぎない金額を告げる判決に、石川さんの弟で原告の憲さん
(55)=北海道小〓市=は原告席から裁判長をにらみつけ、横に座る弟の雅敏さん(53)
=札幌市=はうなだれた。
判決後に会見した憲さんは「相手は謝罪するような人間ではない。法によって償わせるしか
なかった。私たちはどうしたらいいのか」と憤った。
時効成立で元警備員は刑事責任を問われることはない。だから「殺害」への賠償にこだわった。
しかし、民事でも「時の壁」がたちふさがる結果に。雅敏さんは「犯罪を隠せばいいという風潮を
助長する」と納得できない。「勝って初めて供養になる」。遺族は逆転勝訴を求めて控訴する。
傍聴席には、石川さんの当時の同僚9人の姿も。石川さんと同世代で現在も同区で教諭を続ける
女性(57)は「事件さえなければ、石川さんは今でも元気に働いていたかもしれない。弟さんた
ちのことを考えるといたたまれない」と話した。
一方、元警備員の代理人弁護士は「今後の対応は本人と相談して決めたい」と語った。【和田浩幸】
(毎日新聞) - 9月27日9時59分更新
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