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・「クジラの肉が売れなくて余っている」。そんな話がネット上のブログなどで飛び交っている。
きっかけは朝日新聞9月9日夕刊の『クジラ余っても高い』『在庫は1年分』という見出しの記事だ。
朝日新聞には、「調査捕鯨の拡大で鯨肉の供給は10年前の倍以上になった。しかし、商業
捕鯨停止以降の約20年の間に、大半の水産卸が鯨肉を扱わなくなり、流通が追いつかなく
なった。このため昨年末で年間供給量に匹敵する約3,900トンの在庫が積み上がった」
と書かれている。調査捕鯨での捕獲高は昨年約4,000トンだから、そのほとんどが売れ
残っているかのように見ることもできる。
グリーンピース・ジャパンは「どれくらい余っているかは年間の時期によって異なりますが、
朝日新聞の記事は本当です。我々はこの実態を開催された国際捕鯨委員会に報告し、
参加国の方々がとても驚いていました」と話した。
海外では、日本人がクジラを食べるのは伝統的食文化で喜んで食べていると思っていて、
だから日本は調査捕鯨を主張するのだと考えていた。
水産庁は朝日新聞の記事について「反捕鯨国のメディアが、日本で鯨肉が余っていると
伝えているのは知っています。朝日新聞もそれを参考にしたのかもしれませんが、余っては
いません」 とキッパリと答えた。
確かに昨年末に3900トンほどの在庫があったが、それは年間で最もストックを抱える時期で
流通する前だったという。さらに、毎年の調査捕鯨費は50億円~60億円で、うち5億円が税金。
残りは鯨肉の販売で賄うため、確実に売れているというのだ。
ある鯨肉中卸大手も、「我々は販売するためにストックしているのだから、余っている
という表現は間違っている」と話した。ただし、商業捕鯨が禁止されて20年になり卸業者が
激減、鯨肉の流通が物理的に滞ることもあることは認めた。
一方で、若い年代では鯨肉を食べる文化が薄れている。水産省は「日本古来の食文化が
廃れては困る」としている。近年は学校給食に鯨肉をメニューに加える
動きが出てきて、現在では全国で3500校にまでなったという。(一部略)
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