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周りの独身女性たちと話していると、「(結婚したい男性は)尊敬できる人」というキーワードが
必ず出てくる。実は“負け犬世代”が望んでいるのは「男女同権」の男なんかじゃない。仕事バ
リバリの“負け犬世代”から見て、さらに「仕事でもそれ以外の点でも、自分よりも上の男」が好
みなのだ。
80年代から、女性は欧米並みの先進国女性に追いつこうと頑張って自分を磨いてきた。しか
し日本の男性の意識は変わらなかった。いきなり「フランス女」の“女力”を持ち、「アメリカ女」
の“仕事力”がついた女性が目の前に現れたって、そりゃ「食いつき」も悪いというもの。
日本の男性は「自分と同等に頑張る」女性には、どうも腰が引けてしまうようだ。アメリカなど
では、夫も妻も弁護士といった「キャリア×キャリア」のカップルは、結構多い。アメリカ人男性
は、女性が頑張れば頑張るほど、自分も負けまい、と奮起するのがいい男なのだそうだ。日
本では、こういった「キャリア×キャリア」のカップルは、やっと最近ごく少数生まれるようになっ
たばかり。クリントンとヒラリーのようなカップルは、バブル期にさえ生まれなかった。
「東京の30代男性の50%以上がシングルなんだよ」と言っても、独身女性たちが「どこ?ど
こにいるの?」と言うのも当たり前。お互いに、全く違うところに“棲息”しているのだ、多分。
例えば女性たちが、話題のシェフが腕を振るう最新のフレンチレストランで「やっぱり生のトリュ
フが食べられる季節は逃せないわ」などと言っている時、シングル男性たちはマンガ雑誌を
片手に牛丼を食べているのかもしれない。
両者の間には、よほどのことがないと愛は生まれない。日本の30代後半シングル男女が総
当たり戦で見合いしても、カップルができる率はすごく少ないのだ。均等法前は、仕事や経
済力で男と同等または凌駕する女性が大量にいなかったので、まだマッチングは成立して
いた。しかし均等法以降、仕事力、経済力もすべて兼ね備えた女性たちが大量出現したが、
彼女たちの望む「より頑張る男性」が増えなかった。均等法世代の結婚市場は、女性たち
がオーバースペックになり、マッチングがなかなか成立しないのである。(抜粋)
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