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★「94歳私の証・あるがまま行く」 第二の国歌をつくろう 日野原重明
・始業式が近づいてきました。こうした学校行事の時期がくるたび、「君が代」「日の丸」の問題が
話題になります。
20世紀以降、諸外国の多くが国旗を制定し、国際行事の際に国歌を歌うことが定着しました。
特に五輪やサッカーワールドカップなど国際的なスポーツ大会が普及に一役買いました。
とりわけ国歌は、選手の愛国心や闘争心を高揚させる役割を果たしてきました。そういう意味では
日本の国歌とされる「君が代」は特殊な存在です。
歌詞は、「古今和歌集」に「読み人知らず」として載っている和歌「わが君は千世に八千世に
さざれ石の巌となりて苔のむすまで」が基になっています。「わが君は」を「君が代は」と変えた
もので、明治期以降は天皇をたたえる歌とされてきました。
これが戦後もそのまま採用されました。歌詞も曲調も古めかしく、天皇中心的です。米国や
フランスの国歌と比べると、諸行事に使うには、日本の国歌はさえない印象をもつ人が特に
若者たちに多いようです。戦後生まれの世代は、チームや個人をたたえる場面で天皇をたたえる
国歌を歌われても、なかなかピンと来ないのでしょう。
米国では、始業や終業時間に生徒が国旗に向かって右手を左胸に当て、国歌を斉唱する学校も
あるそうです。これほど国歌を愛する国民性ですが、実はこのほかに、第二の国歌のような
「America the Beautiful」という歌もあります。第2次世界大戦前によく歌われていたようです。
そこで私は提唱したいのです。国内外の大きなスポーツ試合の時にふさわしい第二の国歌を、
日本全国から公募してほしいのです。
公式行事には古典的な「君が代」でもいいでしょうが、若者が参加する華やかな国民行事には
「君が代」に代わる斬新な第二の国歌を全国民で歌いたいと思います。心を高揚させ、正義と
友情と平和をたたえるようなもう一つの国歌を。
私も当選は期待せずに、作詞作曲に挑戦したい気持ちでいっぱいです。たくさんの日本人が、
その日を待っているに違いないと私は思うのです。 (一部略)
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