06/08/11 02:30:04 UhhzQiME0
東条遺言の摘記
開戦の時のことを思い起こすと、実に断腸の思いがある。今回の死刑は個人的には慰めるところが
あるけれども、国内的の自分の責任は、死をもって償えるものではない。しかし国際的な犯罪としては、
どこまでも無罪を主張する。力の前に屈服した。自分としては、国内的な責任を負うて、満足して刑場に
行く。ただ同僚に責任を及ぼしたこと、下級者にまでも刑の及びたることは、実に残念である。
天皇陛下および国民に対しては、深くおわびする。元来、日本の軍隊は、陛下の仁慈の御志により
行動すべきものであったが、一部あやまちを生じ、世界の誤解を受けたるは遺憾である。日本の軍に
従軍し、倒れた人および御家族に対しては、実に相済まぬと思っている。
今回の裁判の是非に関しては、もとより歴史の批判に待つ。もしこれが永久の平和のためという
ことであったら、もう少し大きな態度で事に臨まなければならぬのではないか。この裁判は、結局は
政治裁判に終わった。勝者の裁判たる性質を脱却せぬ。
天皇陛下の御地位および陛下の御存在は、動かすべからざるものである。天皇存在の形式に
ついては、あえて言わぬ。存在そのものが必要なのである。それにつきかれこれ言葉をさしはさむ
者があるが、これらは空気や地面のありがたさを知らぬと同様のものである。
東亜の諸民族は、今回のことを忘れて、将来相協力すべきものである。東亜民族もまた他の民族と
同様の権利をもつべきであって、その有色人種たることをむしろ誇りとすべきである。インドの判事に
は、尊敬の念を禁じ得ない。これをもって東亜民族の誇りと感じた。
今回の戦争にて、東亜民族の生存の権利が了解せられはじめたのであったら、しあわせである。
列国も排他的な考えを廃して、共栄の心持ちをもって進むべきである。