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★集団リンチ 命ごいも聞き入れず 容赦ない廣畑、小林容疑者
「お願いやから殺さんといて…」。執拗（しつよう）な暴行と長時間の監禁で抵抗を奪い、
最後の力を振り絞って命ごいまでした東大阪大４年、藤本翔士さん（２１）を生き埋めにし
た集団リンチ殺人事件は１７日、主犯格とされる大阪府立大３年、廣畑智規容疑者（２１）
ら９人が殺人容疑で再逮捕された。陰惨な藤本さん殺害までの一部始終を、現場に
居合わせた９人はどんな思いで見届けたのだろう。これまでに判明した９人の供述など
から凶行に至る経緯をたどった。
６月１９日未明。岡山市の山中にある資材置き場。別の場所でゴルフクラブや特殊警棒
でめった打ちにされ、車のトランクに押し込まれていた藤本さんが再び車から降ろされた。
顔は腫れ上がり、全身血まみれだった。立つことさえままならない藤本さんへの「３度目」のリンチが始まった。
２台の車のヘッドライトが藤本さんだけを照らした。殺害実行の中心、小林竜司容疑者
（２１）の怒号が響く。「死にたくなかったらもっとせえ」。元同僚の無職少年（１６）は積極的
に加担し、藤本さんと同じサークルだった佐藤勇樹容疑者（２１）と徳満優多容疑者（２１）
も勢いにつられ殴り続けた。
眼前で繰り広げられる異様な光景を前に、動じることなく現場を仕切ったのが集団リンチ
を計画したとされる廣畑容疑者だった。佐山大志容疑者（２１）と白銀資大容疑者（２２）
に見張りを指示し、無職少年が連れてきた派遣社員（１６）とアルバイト（１７）の少年２人
にはヘッドライトの光量調節や重機の誘導を手伝わせた。
「浅いんとちゃうか」。重機で穴を掘る小林容疑者に廣畑容疑者が声をかけた。「この深
さじゃ、よう隠せん」。言葉の真意を察知した小林容疑者はさらに掘り進め、深さが約１・５
メートルに達したところで藤本さんは佐藤容疑者らに抱えられ穴の前に立たされた。
（>>2-3あたりに続く）
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