06/07/08 19:36:58 0
最近、イライラしている。取材がしにくいのだ。中国が取材制限のかなり厳しい国で
あることは承知しているが、この1、2年のメディアへの監視、圧力の強化は著しい。
たとえば最近、こんなことがあった。北京駐在の日本の某テレビ局記者が中国
外務省の会見に参加した際、その社用車の駐車場所をめぐり、運転手と外務省の
保安員がもめて、保安員が「中国人のくせに日本鬼子の会社に雇われている」と
暴言を吐いた。北京の日本記者会は、外務省の職員に対する教育がなっていないと、
抗議文を出した。
問題はここから。この直後、外務省が主催するプレスツアーで本来、日本人記者が
4人参加できるところを一方的に2人減らされ、特に某テレビ局は参加させない旨が
一方的に通達された。担当者から「理由はおわかりでしょう」といった意味深長な言葉
があり、明白な取材圧力だった。さらなる抗議の末、結果的には某テレビ局もプレス
ツアーに参加できたが、「当局に逆らうと取材できない」というメッセージを改めて
日本人記者らに突きつけたのだ。
(中略)
日本の全人口ほどのインターネットユーザーを抱える中国は、実際には以前より
情報伝達速度、報道量ともに増し、情報・報道の国境もなくなってきている。国際社会
で注目を浴びた中国青年報「氷点週刊」紙の停刊事件は、瞬く間に世界に広がり、
その続報もネットを通して発信され続け、それなりの知識人は問題の全容を知って
いる。外務省報道官が会見で「メディアは政府の仕事や社会の発展を監督するもの」と、
従来の「党の宣伝機関」と違う報道機関の役割を述べており、報道の国際基準という
ものを為政者は知っている。
その上での時代に逆行する報道統制強化は、広がりつつある統制のほころびが
現体制崩壊に確実につながるということをひしひしと感じているということか。
ならば、当局の取材制限や圧力に日々ストレスを募らせながらも、今しばらくがまん、
と思う。近い将来「記者冥利(みようり)につきる」と誰もが思う、世紀の大ニュースを
取材できる機会が待っているかもしれないのだから。
ソース(イザ!・産経新聞、中国総局・福島香織氏)
URLリンク(www.iza.ne.jp)