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同じ職場の人が転勤や定年で去る時、我流の折り句を献呈することが
ある。例えば五七五の上に、その人の名を一字ずつ置いてゆく。こちらは
転勤でも定年でもないが、最後の国会を終えてロスタイムに入った観も
ある小泉首相で、長めの一句を試みた。
【こ】この5年「改革」掲げ突き進む。選挙の小泉劇場では大いに観客を
わかせたが、先夜、好みのオペラ鑑賞に出かけた劇場では、大きな
ブーイングを浴びたという。
【い】イラクへとしゃにむに向けた自衛隊。攻撃は受けたが、目下幸いな
ことに犠牲なし。だが、ブッシュ政権が先制攻撃の理由に掲げた大量破壊
兵器はみつからず、「イラク戦の大義」は地に落ちた。多くの隊員を危険に
さらし続けた最高指揮官・首相の判断力とは。
【ず】ずるいことと、賢いことの区別がはっきりしない時代になった。この
数年、あいまいさが増した気がする。株を買い占め、情報を流し、流させる。
法の網をかわせば賢いと言われ、かかればずるいとなる。金への異様な
傾倒という根は同じ。
【み】耳貸さず信念ひとつ懐に。ご本人は、人の言うことはよく聞いてきた
と言うのだろう。しかし、そのかたくなさを誰かがこう形容していた。「確固
たる信念を持っているが、それが何なのかは分かりにくい」。海の向こうの、
やはりかたくなな傾向のある人の元へ近く飛び立つ。
【じゅん】純粋なのか、冷酷なのか、【いち】一概には言えない不思議な
政権の後には難問が山積みだ。次の首相は大変だが、まさか続投は
無いだ【ろう】ね。
ソース(朝日新聞・天声人語)
URLリンク(www.asahi.com)