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・ヘッドセットを着けた日本人の若者が、海を隔てた日本の客に話しかけている。中国・大連。
ライブドアグループのコールセンターがある。
働くのは同社の「中国語が学べるインターンシップ制度」に応募した約80人。堀江貴文
社長がブログ「社長日記」で「マーケットが確実に拡大する中国でキャリアを積むことには
意義があると思いますよ!」と紹介すると、説明会の申し込みは1時間で50件に上った。
時給は20元(約288円)。大連の大卒初任給の2倍にあたる。同社は当初、日本語の
できる中国人の採用を検討したが、片言では顧客が満足しない。低賃金の日本人を
連れてくることでコストを40パーセント削減できた。日本の最低賃金法は適用されない。
五十嵐洋彰さん(29)は大連に来て1年になる。新潟で大手食品会社の子会社に就職した。
親会社からの天下りが多い。「この人たちの高給を出すために働くのか」と思うと、
定年まで働く自分を想像できず、5年で辞めた。週3回の中国語レッスンは会社持ち。
物価が安いから生活には困らないが、日本食レストランは高いから行かない。
「確かな生活を捨ててきた。でも行けば何か変わると思った」。契約は1年ごとの更新で
最長5年。契約期間の途中で辞めると、日本からの渡航費やビザの取得経費を返さなければ
ならない。五十嵐さんはもう1年いて中国語をマスターしたいが、どこまで上達できるか不安も
感じる。将来の仕事はまだ考えられない。グループの社員になれるのはほんの一握りだ。
同様のコールセンターを運営するマスターピースは03年に進出した。まず時給10元で
募集したところ120人もの応募があった。加藤舞子さん(26)は昨年2月から働いている。
時給は20元。前は営業事務をしていたが「毎日の単調な繰り返しがいやになった」という。
閉塞感の漂う日本。その隙を突くように成長企業が若者を引き寄せる。記者は加藤さんに
「使い捨てになるとは思いませんか」と尋ねた。「はい。それでもいいんです」(抜粋)
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