06/01/08 11:48:20 0
中国南部のメコン川上流に建設されている水力発電用ダムが、川の
水位を低下させ、下流国での漁業や船舶の航行に深刻な影響を与えて
いる。カンボジアでは東南アジア最大のトンレサップ湖の漁獲高が激減
した。タイでは、中国との間を航行する貨物船が水位低下のために運航
できない事態が発生し、上流での一方的な開発に反発が強まっている。
(中略)
原因としてはメコン川から流れ込む水量が減り湖の水位が低下したことや、
森林の違法伐採、乱獲などが挙げられているが、カンボジア政府のある高官は、
「もっとも重大なのが中国が建設しているダムだ。下流の水位が低下し魚の
生産が影響を受けている」と指摘した。
中国南部では、メコン川本流だけで1993年と03年に1つずつ巨大な
水力発電用ダムが建設された。04年に川のせき止めが行われ、現在
建設が進められている小湾ダムは世界最大規模とされ、小湾ダムを含む
3つのダムが近年中に稼働する予定だ。
(中略)
一方、中国のダム建設で、カンボジアよりもさらに直接的な影響が出て
いるのが中国に近いタイ北部だ。
昨年3月には、タイの貨物船の一部が水位低下のために航行不能に
陥った。タイの輸出業者は、中国が自国の貨物船が航行するときだけ
都合よく水位を上げ、それ以外はダムの水門を狭くするため、タイの
貨物船が影響を受けていると非難。その結果、タイ側の貨物船の1日の
運航数は5-10隻から1-2隻に落ち込み、輸出が20%も減少したという。
タイの環境保護団体東南アジア河川ネットワークによると、中国が初めて
メコン川にダムを建設した93年以来、乾期の水位は低下し続けており、
同ネットワークのピアンポーンさんは「今年の乾期はさらに状況悪化が
進んでいる。このままでは、漁業者だけでなく、メコン川周辺の経済全体
にも影響を及ぼす」と話している。
ソース(産経新聞) URLリンク(www.sankei.co.jp)