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「衰退」。若者の男女計1000人にアンケート調査で人口減少という言葉から連想する
イメージを尋ねたところ、５３％がそう答えた。「縮小」「わびしさ・さびしさ」などが続き、
「ゆとり」「のどか」「豊か」といった肯定的な回答は全て足しても１割に満たなかった。
将来に明るい像を描けない裏には、若者に負担がしわ寄せされることへの危惧がある
ようだ。年金の仕組みは、自分が払う保険料が将来の自分に使われる積み立て方式で
はなく、現在の高齢者の年金支払いにあてられる賦課方式。これについて、「仕組みを
考えれば当然」という回答は２５％に過ぎず、「釈然としないが、しょうがない」が最も多い
３９％で、「納得できない」と異議を唱える人も２４％いた。
団塊世代の大量退職による巨大市場の出現、富裕な高齢者の増加などが話題になる
反面、流行を生み出す主役であるはずの若者の影は薄くなりがち。貧富の世代間格差
が広がることへの感想を聞くと、「もう少し若者に富が還元される施策を実施してほしい」
が５５％に上った。「今の高齢者がうらやましい」「不遇な時代に生まれてしまった」と訴え
る若者も少なくなかった。
人口減社会の到来で、放っておけば世代間の格差はますます広がる。若者のメッセージ
に耳を傾ける必要がありそうだ。
日経新聞05.12.13.朝刊より