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「西洋事情」は福沢諭吉が幕末の洋行体験を記した書。英国のビクトリア女王が
即位した際の、カナダの人々の反応をこう記している
「旧来婦人の支配を受けしことなきが故に、英国の女王を以(もつ)て大父と
為(な)す可(べか)らずとて、多少の混雑を生じたることあり」。諭吉自身の感想は、
遠い国のことで日本に無縁な話という程度だったか。女王とはいささか違っても、
女性天皇の論議が高まる今の日本を見れば感慨深いかもしれない
皇室典範に関する有識者会議が、女性・女系天皇の容認を打ち出す最終報告を
首相に提出した。男女間の身分差は一切なくなり、皇位継承順位は「第一子優先」である。
女性天皇の例は古来あっても、結婚して皇位を継げば史上初。その伴侶は初めての
「女性天皇の夫」となる
世論調査でも多くの人が女性天皇を支持している。「わが家はとっくにそうだ」と
まぜっかえす声はともかく、男女平等が進みつつある世の中では自然な受け止め方なのだろう。
それでもまだ女性には障壁が少なくない今、女性天皇の容認はこうした壁をさらに崩す
機運も高めようか
ただ、皇室制度が大きく変わる課題。女性天皇は認めても、その場合の皇位継承順位は
第一子優先か男子優先かで世論はほぼ二分される。最終報告にある「宮家の創設」でも、
皇族が増えれば国民の負担も増えることになり、これもよく話し合いたい。国民とともにある
皇室なのだから
冒頭のカナダの人々ではないが、まだ意見が混雑していいのだろう。それが民主主義社会の
皇室論議にふさわしい。
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