05/09/10 02:26:55 UyCy/rzs0
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
日本人の歴史認識の欠如はいつまでもつづく
現代日本人の知識の中でほとんど欠落しているのが、あの日中戦争はどのような戦争
だったのか、あの戦争をはじめたとき、日本人はいったい何を考えていたのか、あの
日中戦争はどのように展開したのか、という最もベーシックな知識である。
それは若い人からも、年配の人からも欠落している。若い人は無教育故に、年配の人
は情報の欠落故に(戦中も戦後も日中戦争の実態は日本国内でほとんど伝えられなか
った)。
若い人のためにいっておけば、あの時代の日本は、あわよくば中国全土を征服して、
中国に天皇制を押し付け、大日本帝国の一部にしようとしていたのである。「元」だ
って「清」だって、異民族支配の帝国だったではないか。今度は日本が中国を支配し
て新帝国を築いたっていいではないかと考えていたのである。
冗談と思うかもしれないが、本当なのである。
大東亜戦争が目的とした、「大東亜共栄圏を作り“ハッコウイチウ(八紘一宇)”の
世界とする」というスローガンは、そういう意味だったのである。
そしてさらにその上で、ヨーロッパに覇権を確立したドイツ、イタリアと組んで、世
界を再分割する(新世界秩序を作る)という発想だったのである(それが日独伊三国
同盟の目的)。
おそらく、いまの若い世代の日本人は、この時代の大日本帝国指導者たちの誇大妄想
的グランドデザインを何も知らない。
そこがわからないと、日本人の歴史認識の欠如がいつまでもつづく。
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