06/12/09 18:33:13
漫画大国の各地で毎週のように開かれる同人誌即売会。代名詞であるコミックマーケット
(コミケ)を約30年間率いてきた米澤嘉博がこの秋急逝し、サブカルチャーの分野に深い
衝撃を与えている。月刊誌『創』での特集をはじめ、多くの媒体が追悼を寄せる中、
注目されるのは、世界最大の漫画の祭典が「カリスマの死去でどうなる?」(『ダカーポ』
11月15日号)という点だ。
10月1日、53歳で世を去った米澤は明治大在学中に批評活動を始め、昭和50年、第1回
コミケ開催に参画。55年から準備会代表を務めてきたほか、代表作『戦後少女マンガ史』
などで漫画評論という地平の草分け役を担った。『COMICリュウ』12月号の追悼文で、
編集長の大野修一は米澤とその駆け抜けた時代をこう意義付ける。
「〈好き〉を一貫させようとする彼らのような人たちがいたから(中略)もろもろの
マニアックな雑誌が70年代後半から80年代前半にかけて生まれ、いつしか公式にも〈文化〉と
いわれるようになったのだ」
マニア=オタク文化とコミケは、『宇宙戦艦ヤマト』や『キャプテン翼』などのブームを
経て拡大し続けた。東京・秋葉原や大阪・日本橋は、電気街からオタク街への変容が進み、
昨年の流行語大賞には“萌え”がランクイン。100年以上の歴史を誇るヴェネチア・
ビエンナーレ国際建築展では一昨年、磯崎新の肝いりで“OTAKU”をテーマに据えた
日本館が注目を集め、今や“我が世の春”を謳歌している。
しかし、常に順風満帆だったわけではない。
Sankei WEB
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