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C型肝炎ウイルス(HCV)が細胞内の特定のたんぱく質と結びついて増殖する仕組みを
大阪大学微生物病研究所の松浦善治教授(分子ウイルス学)らが解明した。この結びつきを
阻害する化合物を見つければ、ウイルスを直接攻撃しないため、薬が効かない耐性ウイルス
ができにくい薬の開発につながるという。独科学誌「EMBOジャーナル」(電子版)に5日、発表した。
HCVが体内で増えたり病気を起こしたりする仕組みは、これまでほとんどわかっていなかった。
ウイルスはふつう感染した細胞内にあるたんぱく質や脂質などを利用して増殖するため、
松浦教授らは、HCVが細胞内でどのようなたんぱく質と結びついているかを探した。
その結果、FKBP8と呼ばれるたんぱく質を介して「分子シャペロン」と呼ばれるたんぱく質の一種と
結びついていることを見つけた。FKBP8の量を減らすと、HCVの増殖が抑えられることも確認。
HCVの増殖に分子シャペロンとの結合が不可欠であることがわかった。
C型肝炎に対して、ウイルスが持つたんぱく質の働きを阻害する薬の開発が進んでいるが、
ウイルスの変異が激しく、耐性ウイルスの出現が心配される。HCVと分子シャペロンの結合を
阻害する化合物がみつかれば、ウイルスの変異には影響されにくいため、松浦教授は「耐性の
心配の少ない薬剤の開発が可能になる」としている。
ソース:朝日新聞
URLリンク(www.asahi.com)
Hepatitis C virus RNA replication is regulated by FKBP8 and Hsp90
The EMBO Journal advance online publication 5 October 2006; doi: 10.1038/sj.emboj.7601367
URLリンク(www.nature.com)