06/12/16 20:11:13
■ブータン:ワンチュク国王が退位 「皇太子譲った」と発表
【ニューデリー西尾英之】
ロイター通信などによると、「国民総幸福」を提唱して国際的に話題を集めたブータンの
ワンチュク国王(51)が16日、退位して王位を長男のジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク
皇太子(26)に譲ったと発表した。国王はこれまで、同国初の総選挙を08年に行った後に
皇太子に譲位するとしていたが、予定よりも早く地位を譲った。
声明で国王は「新たな国王と民主政府のリーダーシップの下に、ブータンの輝く未来を確信している」
と表明した。国王の側近は英BBCテレビに「(国王は)皇太子に十分な統治経験を積ませるために早期
の譲位を決断した」と語った。
ワンチュク国王は72年に即位。仏教護持や民族衣装着用など伝統文化の維持に努めた。
しかし90年代にネパール系ヒンズー教徒の反発が強まり、民主化運動へと発展。国王は98年、
権限の一部を国会に委譲し民主化に乗り出し、昨年3月には同国初の成文憲法の最終草案を公表。
08年の総選挙で民主化プロセスを完了するとしている。
一方で国王は経済指標「国民総生産」の代わりに「国民総幸福」の充実をめざすと宣言するなど
開明的な君主としても知られた。
新たに即位する皇太子は英オックスフォード大学へ留学した国際派で未婚。
今年、タイ国王の在位60周年式典に出席するためバンコクを訪問。端正な容姿と
気さくな振る舞いでタイ女性の間で大人気となりブータン・ブームを巻き起こした。
毎日新聞 2006年12月16日 19時44分
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)