06/12/22 09:22:43 BE:159696926-2BP(1707)
裁判所が韓米FTA(自由貿易協定)反対デモの参加者6人に対する拘束令状を2度にわたって棄却した。
裁判所側はその理由として「逃亡や証拠隠滅の危険性がない」ことを挙げた。しかしこの決定について検
察は「被告らはソウル中心部の路上で何時間も交通をマヒさせ、数十人の警察官に暴行を加えており、こ
の件に関する令状の棄却は、違法デモの根絶を望む国民の声を無視するもの」として反発した。
この問題に対する国民の思いは一つ。それは、常習的で暴力を伴う違法デモをこれ以上容認してはならな
いというものだ。
こうした違法行為を根絶するには、裁判所の厳格な法的判断が必要不可欠となる。令状の審査から裁判に
至るまで、裁判所は法的に適切な処理を最優先しなければならない。よって今回の裁判所による令状棄却
は、そうした国民の期待を裏切るものにほかならない。
事実、過去3年間に集示法(集会および示威に関する法律)違反の罪で起訴された人の数は91人に達する
が、このうち裁判所から実刑判決を受けた例は一つもない。こうした中、裁判所までが「飯が法に優先する」
といった調子の大衆迎合的なエセ進歩の空気に染まったという指摘が上がるのも無理はない。
最高裁判長は就任当時から、現政権の386世代(1990年代に30歳代で80年代に大学に通った60年代生まれ
の世代)の関係者が事あるごとに口にしている「時代精神」を、最高裁判事の選定条件に挙げてきた。世界は
広いとは言えども、裁判官の任用条件として「時代精神」を挙げる国など韓国以外に存在しないだろう。
昨年ある最高裁判事が退官に際し、「市民団体が進歩的だと認めた裁判官が、能力の優れた裁判官より(人
事で)優先されるような状況を懸念する」としたのもうなずける。裁判所が法治主義ではなく、時代精神や進歩
といった場違いな政治スローガンに染まるような国が、先進化に成功した例はない。
裁判所の第一の使命は、国民の合意の下で作られた憲法と法律の枠組みの中で、法秩序を守ることにある。
そうして初めて、国の法的な安定性を維持できる。われわれが今日の延長線上で明日を予測し、特定の行動
に対しあらかじめ定められた賞罰が与えられることを予想するのも、このような法的な安定性があってこそ可
能となる。
そのため、法治主義と法的安定性は経済発展の最も基礎的な条件として重要視されている。これらを実現し
てこそ、企業が発展し、外国からの投資も集まる。裁判所が恣意(しい)的な権力の行使を防ぐことで、社会的、
政治的、法律的な不確実性を取り除くことができるからだ。
法治主義や法的安定性が時代精神や進歩などという政治スローガンに取って代われば、すべてのバランスが
失われる。裁判所が基本権を確立するために新たな法解釈や判例を出す場合も、国民の多数が同意し、共感
するものでなくてはならない。
従って、今回の違法デモ首謀者に関する令状棄却は、明らかに大多数の国民の意見に反する決定であり、非
常に残念だ。
ソース:朝鮮日報
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