06/12/17 16:51:22 ObkIDRQT
>>409
昨日聞いたFMラジオより
ソース元:URLリンク(www.avanti-web.com)
■ 中島一浩さん(キヤノン)の
『インクジェット・プリンター』の話
コンピューター、特にCPUやメモリなど、デジタルな素子は「作れば作るほど安くなる」もの。
だから人件費も安くて資金もそこそこある韓国や台湾が強い。それに対して、日本はどうしても人件費が高い。
そこで日本がどうやって生き残るかを考えると、デジタルの裏にあるドロドロとしたアナログの世界が向いている。
たとえばデジカメ。今、世界中のデジカメのほとんどが日本製になっている。本来、デジカメの心臓部とも言えるCCDやCMOSセンサー、
そして記録するメディアなどは「コンピューター」の類なので、海外の方が強いはず。ところがデジカメは「レンズ」が非常に難しい。
あの小さいボディで何倍ものズームを実現する小ささ、何百万という画素で撮影してもクッキリ写るような精度、この2つがレンズに求められる。
こういう技術は海外のメーカーではそう簡単にマネを出来るものではない。
私の専門の「インクジェット・プリンター」も同じ。インクジェットは紙に小さなインクの粒を吹き付けていくことで印刷していく。
プリンターの中で紙が縦に動きながら、プリントヘッドが左右に動きながら1個1個の粒を打っていく。これが非常に高度なアナログ技術。
たとえばキヤノンのプリンターなら、「L版」と呼ばれる普通のサイズの写真を18秒でプリントする。
そしてその写真には、億のオーダーでインクの粒が吹き付けられている。そのインクの粒を吹き付けるためのノズルは、
キヤノンの一番良いプリンター(6~7万円程度)で6,144個。このノズル1つ1つから1秒間で約2万4千個のインクの粒を飛ばせる。
しかも霧吹きのようにランダムに飛ばすわけにはいかないので、1つ1つのインクの粒を飛ばしたり飛ばさなかったり、全部コンピューターで制御する。
やっている自分たちが「このプリンターが2万円って安すぎないか?!」と思ってしまうくらい、インクジェット・プリンターはスゴイ技術で作られている。