06/12/07 23:14:25
■南北協力基金：ミサイル発射、核実験でも規模変わらず（上）
■南北協力基金：ミサイル発射、核実験でも規模変わらず（下）
来年度の南北協力基金の使用計画書を見ると、北朝鮮のミサイル発射や核実験強行という要素は全く
反映されていないことが分かる。北朝鮮への軽水炉建設支援事業の終了に伴い、関連予算が大幅に削減
された点を勘案すれば、事実上、今年と似たり寄ったりの規模だ。
◆支援事業約30種類の具体的規模が判明
韓国政府は、北朝鮮に対する食糧支援、開城工業団地の基盤施設建設工事など約30種類の支援事業に対し、
9500億ウォン（約1190億円）以上の予算を計上していることが分かった。特に開城工業団地の基盤施設建設工事
に706億ウォン（約88億5000万円）の予算を計上するなど、開城工業団地関連の予算は1500億ウォン（約188億円）
に達している。開城工業団地関連では他に、マンション型工場の建設（234億ウォン＝約29億円）、総合支援センター
の建設（220億ウォン＝約27億5000万円）といった新規の事業計画も盛り込まれている。これらは来年度も開城工業
団地の事業をより一層活性化させるという意向を表明したものと見られる。また北朝鮮の核実験強行後、一部で
指摘されている、開城工業団地の北朝鮮側労働者の賃金支給体系の不透明さも全く考慮されていないといえる。
◆経済協力・食糧支援の拡大
政府は特に、南北経済協力事業関連の予算を大幅に増額した。「交易・経済協力損失補てん」という項目、
すなわち北朝鮮と共同事業を展開して損害を被った場合に補てんする予算は100億ウォン（約12億5000万円）で、
今年よりも117%増えている。交易資金の貸付も150億ウォン（約19億円）で、今年より25%増額、また経済協力資金
の貸付も672億ウォン（約84億円）で、14%増額している。さらに食糧・肥料の支援額も、今年に比べてそれぞれ24%、
29%の増額となった。結局、この2つの事業にかかる費用は3700億ウォン（約463億5000万円）となり、これだけで全体
の40%に達する。
◆金剛山管理委員会の新設
政府はまた、金剛山管理委員会の新設費用として80億ウォン（約10億円）を計上した。その目的については
「観光特区の管理・運営に関する各種の事務事業や支援業務を遂行すること」とし、人件費に10億ウォン（約1億2500万円）、
管理・運営費に16億ウォン（約2億円）、建物の賃貸料に4億ウォン（約 5000万円）、事務所や宿泊所の新築費用に
50億ウォン（約6億3000万円）を要すると説明している。
政府は管理委員会新設の理由として、「現地に出入りしたり滞在する人の数が一日2000人から3000人にまで
急激に増えている」ことを挙げた。北朝鮮の核実験強行後、金剛山への観光客数が一日1000人ほどまでに減少
したことなど全く反映されていない。また核実験強行後に決議された国連の対北朝鮮制裁決議1718号に従うとして、
しばらく中止するとしていた観光補助金の支援も、「北朝鮮における現地体験学習経費」という項目で30億ウォン
（約3億7600万円）が計上されている。
◆北朝鮮に対するインフラ構築支援に44億ウォンの追加を要請
一方、統一部は南北協力基金の使用計画とは別に、北朝鮮国内のインフラ整備事業費という名目でさらに
44億7400万ウォン（約5億6000万円）の増額を要請した。北朝鮮のミサイル発射や核実験の強行などで、
南北鉄道連結工事に遅れが出たため、管理費用が余分にかかるというわけだ。統一部は国会に提出した
報告書で、「核実験によって北朝鮮に対する資材・機材の提供や技術支援が中断されたが、支援事業の維持や
工事現場の保護という次元で、追加費用が必要になる」と説明している。
◆「結局、何も変わっていない」
高麗大の南成旭（ナム・ソンウク）教授は「北朝鮮が核実験を強行したにもかかわらず、対北朝鮮政策で変わった
ことは何一つないということを示したものだ。こうすることで北朝鮮に“包容政策はこれまで通り進めていく”と意思表示
するためのものだろう」と評した。また、ある国策機関の研究員は「北朝鮮の核実験強行後、韓国国民の70%が
“北朝鮮に対する政策の基調を変えるべきだ”という意見を表明している。今回の協力基金の予算案は、こうした
民意とはあまりにもかけ離れたものだ」と批判した。
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朝鮮日報／朝鮮日報JNS
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