06/12/05 21:41:15
韓国を訪れる外国人は「物価がなぜこんなに高いのか」と不平を言う。
私たちも海外旅行をした際、国内の物価がどれほど高いかを実感する。
ホテル料金や住宅費はもちろん、サラリーマンの昼食代にいたるまで…。
もともと物価が高い国を挙げる時、世界的に悪名が高かったのは日本だ。
韓国の3倍、東南アジアの10倍というのが定説だった。
最近日本に行ったことがある人なら「とんでもない」という言葉が出てくるはずだ。
所得との対比を考慮しなくても、韓国よりも安いものがいくつもある。
日本の物価は下がり、韓国が上がっているうえ、ウォン高までが進んでいることで、
日本でショッピングをする面白味が話題になっているほどだ。
どうして世の中がこのように変わってしまったのか。
貧しい人たちが自分の町では物価が高いからといって、
富裕層が住む町へショッピングをしにいくという、コメディーのような話だ。
しかしこのコメディーが目の前の現実である。
ハンバーガーも、コーヒーも、衣服も、日本よりも韓国の方が高い場合が多い。
ネクタイやスカーフなど名品ブランドのアクセサリーはほとんど、日本で買う方が安い。
韓国の輸入自動車価格は税金を理由にしても途轍もなく高い。
ホテルでの食事は1人当たり10万ウォンを超えるのが普通だ。
100ドルを超えるということだ。
さらに1坪当たり5000万ウォンのマンション、100万ドル以上のゴルフ場メンバーシップなどは呆気にとられる。
物価があまりにも上がり過ぎている。
これでも経済が正常なら、それ自体が非正常だ。
金持ちならそれほど関係はない。 高くてもお金をもう少し支払えば済むことだ。
また外国が安いなら飛行機に乗って買ってくることもできる。
海外観光ブームはすでに古くなった言葉だ。
国内よりも安いゴルフ場は東南アジアにだけあるのではない。
最近は金持ちの国である日本のゴルフ場でさえ韓国に比べるとはるかに安くて良い。
私も友人と秋夕(チュソック、中秋)連休に日本の熊本へゴルフ旅行に行ったが、そこで驚いた。
宿泊と2度の食事、ゴルフ費用を含めて10万ウォンだった。
これだから日本ゴルフ旅行の人気は高まるしかない。
「韓国人客のおかげで最近は景気が良くなっている」とホテルの従業員は話している。
このため外へ外へと出て行くことになる。
国内では高い料金に人目まで気にしなければならないが、海外に出ればその必要もなく、
料金も安いので、思う存分お金を使うことができるのだ。 工場は工場で海外へ抜け出し、
消費は消費で外国に行ってする。 滅びる兆しだ。
日本も1980年代まで同じように病んでいた。
国内消費促進のため政府が商品購買券を配ったりもしたが、
人々はそれを現金にして東南アジアでショッピングを楽しみ、全く空しい結果に終わった。
しかし90年代の‘失われた10年’をたどりながら苦労して病気を治した。
不動産バブルが消え、流通業者の倒産が相次ぐという苦痛の期間だった。
決定的な理由は中国からの‘低価格空襲’だった。
中国製品が満ち潮のように押し寄せながら、高物価体制の根幹だった以前からの流通構造が崩れたのだ。
デパートと伝統の流通業者がなすすべなく破たんしたが、その代わりに高物価病を治し、今の回復転機をつかんだのだ。
金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権10年間の経済が厳しかったという理由で
‘失われた10年’と呼ぶ人もいる。
ある人は政権が交代すれば自然に景気が回復するだろうという根拠のない期待論を繰り広げている。
残念ながら全くそうなりそうではない。
日本と同じように‘失われた10年’を経験するのではないだろうか。
不動産の暴騰も、中国の攻勢も同じだ。
特に、今後5年間は続くメードインチャイナの低価格攻勢は考えるだけでもぞっとする。
海爾(ハイアール)の電子製品がどんな威力を発揮するのか、中国製自動車はいつからソウルの道路を走り始めるのか。
韓国経済は今、もう一つの‘失われた10年’に吸い込まれているようでならない。
中央日報 2006.12.05 17:05:44
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