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■中国・インド：信頼醸成、程遠く 胡主席訪問、成果は経済のみ
【ニューデリー西尾英之】
中国の胡錦濤国家主席は２４日、パキスタンでムシャラフ大統領と会談し、中国の国家元首として
１０年ぶりのインド、パキスタン両国歴訪の主要日程を終えた。米国のインド接近への警戒感などから、
中国にとって今回の訪問はインドとの関係を深め、安定した信頼関係を築く狙いがあった。しかし、
インドでは予想以上に根強い対中警戒感に直面した。訪問の具体的な成果は経済関係の強化にとどまり、
信頼醸成には至らなかった。
胡主席が特別機でニューデリーに到着した２０日、空港に出迎えたのはシン首相ではなくムカジー外相だった。
今年３月のブッシュ米大統領訪印時にシン首相が空港で出迎えたのに比べると、対応の違いが目立った。
インド紙は「インド側の（訪問に対する）ビジネスライクな立場を示すもの」と報じ、関係改善に対する中印両国の
温度差を浮き彫りにした。
胡主席はニューデリーでの講演で「南アジアの平和のために建設的な役割を果たす」と強調した。
印パ対立の解消へ向け、パキスタンへの一方的な支援を改め、テロ防止などでパキスタンに働きかけるとの意、
とインドでは受け止められた。だが、パキスタンを訪問した胡主席は演説で、パキスタン国民が好んで口にする
「両国友好はヒマラヤ山脈よりも高い」との表現で友好・支援関係の継続を打ち出した。パキスタン側に安心感が
広がる一方、インドでは「中国は変わっていない」（地元記者）との失望感も出ている。
ソース：毎日新聞 2006年11月26日 東京朝刊
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