06/10/22 18:57:07
【コラム】裏切りの季節
人が生きていく上で、最も卑劣で汚らわしい行為は、恩を裏切り仇で返し、人の情けを憎しみで返すことだ。
これは国と国との間でも同じことだ。恩や情けを忘れれば、人と国の品格は崩れてしまう。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の安全保障政策の代弁者ともいうべき青瓦台(大統領府)の宋旻淳(ソン・ミンスン)
安全保障室長は「国連に韓国の運命を任せるのは自らの運命を放棄するということ」と発言した。また、「まともな
国は自国の問題を絶対に国際化・多国化しない」とも述べた。
だが、今日この大韓民国が存在するのは、56年前の国連決議(韓国戦争〈朝鮮戦争〉における北朝鮮弾劾決議)
のおかげだ。その国連に対し、今になって「国連に運命を任せることができない」とは、これ以上の裏切りがある
だろうか。裏切りの中にも、恥を知り陰でこっそりとする裏切りと、恩人の面前で見ろと言わんばかりに図々しくやる
裏切りがある。現政権の国連に対する裏切りは、どうも後者のようだ。いくら言いたいことがあったとしても、そのような
やり方ではいけない。
米国は長い間大国病に苦しみ、間違いも多く犯した。韓国に対する振る舞いが、恩恵を与える者として傲慢な点も
あっただろう。だが、50年以上にわたって韓国は米国から多くの世話を受け続けてきた。政治・経済・社会・文化など、
すべての面で新生韓国に決定的影響を及ぼし、特に韓国が貧しかったころ、われわれに多くの援助を与えてくれた国だ。
今日多くの発展を遂げた国として、国力にふさわしい待遇を要求するのは当然だとしても、韓国の今日があるのは
米国の支援のおかげだということまでをも忘れてしまっては困る。米国人らは現在、韓国と韓国人に裏切られたと
感じている。ある世論調査で「韓国の安全保障にとって、最も懸念される国は米国」という結果が出たとき、米国人らは
衝撃を受けたという。
韓国は産業化の過程で多くの副作用を経験した。他人の見解を弾圧し、政治的自由への迫害を加えたこともあった。
しかし、そうした過ちと副作用を階級理論に結びつけ、報復や新たな弾圧の道具にする現在の左派政権から、われわれ
が同類意識を見出すのは難しい。過去の過ちを克服することと、過去を敵視することは別次元の問題だ。これは、今日
のわれわれがある程度豊かに生活できるようにしてくれた過去の努力と奮闘に対する裏切りだ。
>>2以降に続く
朝鮮日報 記事入力 : 2006/10/22 18:00
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