06/10/16 15:08:20
統一新羅時代の元曉による『大乗起信論疏』より以前、百済末期に編さんされた文献の存在が確認された。
これにより韓国最古の文献の歴史が三国時代へとさかのぼることになる。現在この文献の原本は伝わって
いないが、筆写本が日本にある。
木浦大学歴史文化学部の崔鉛植(チェ・ヨンシク)教授は15日、「京都大学図書館に保管されている古代仏教
書『大乗四論玄義記(写真)』の著者である慧均が百済の僧侶であることを確認した」と語った。仏教の三論学概
論書(全12巻)であるこの書は、これまで韓国で最も古い文献とされてきた7世紀中盤から後半の統一新羅時代
の圓測と元曉の著述より古いものだが、著者の慧均はこれまで日本では中国の古代仏教学者として漠然と信じ
られてきた。
崔教授は「ドイツのボーフム大学韓国学科の仏教研究者であるフラセン教授との共同研究により、慧均が百済
の僧であることが明らかになった。様々な記録を総合すると、『大乗四論玄義記』は元曉の著書より60年ほど古
いものと推定できる」と述べた。
崔教授は慧均が百済の僧である決定的な証拠として、この文献に登場する寺の名称“寶憙寺”が2000年に忠
清南道扶餘郡陵山里の寺跡から発見された木簡に記録されている“寶憙寺”と一致する点を挙げた。
崔教授は自らの著書で「現在この地の寶憙淵師・・・」という文字に注目した。“現在この地”とは文献が編さんさ
れた地域を意味し、“寶憙淵師”は“寶憙寺の僧である淵師”を意味する。文章全体の意味は「現在この地で問わ
れる問題はすでに中国では解決している」となるため、“この地”は中国ではないということだ。木簡では“寶憙寺”
を判読できるので、“現在この地”とは百済ということになる。
崔教授とフラセン教授は、20日に韓国史研究会と木浦大が共同で主催する学会「百済の僧慧均と大乗四論玄
義記の再発見」においてこの研究成果を発表する予定だ。
東国大学仏教学部の金星喆(キム・ソンチョル)教授は「崔教授の論文を検討した結果、韓国最古の文献である
ことは確実」と述べた。東国大学史学科の金相鉉(キム・サンヒョン)教授も「この文献の著者である慧均が百済の
僧であることが明らかとなり、資料がほとんど残っていない百済の仏教はもちろん、中国南部と東アジア仏教の流
れを把握するのに大きな助けとなるだろう。様々な面で非常に重要な研究成果だ」と述べた。
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