06/10/14 03:08:39
「 中韓の影響、米国の日本批判 」
安倍晋三首相が今週末にも中韓両国を訪問する旨報じられた。
小泉前政権を拒絶した両国が、いま新内閣を受け入れるのは歓迎すべきだ。
だが、日本にとって大事なことは、歴史認識や靖国問題という国家としての価値観が問われる事柄について
は、決して主張を曲げないことである。
中韓両国も、日本が両国への内政干渉を避けてきたように、日本への内政干渉はしてはならないのである。
国内の権力闘争を反映して、中国の対日政策が変わりつつあることは小欄でも報じてきた。
胡錦濤政権は、江沢民前政権より柔軟かつ前向きの対日姿勢をとるだろう。
中国はそれでも、国際社会で展開してきた反日情報工作を止めることはない点を忘れてはならない。
さて、このところ米国議会で展開されている日本に関する議論には驚かざるを得ない。
たとえば9月14日、下院の国際関係委員会で「日本と近隣諸国との関係」という公聴会が開かれた。
“バック・トゥ・ザ・フューチャー”というタイトルで、アジア政策の研究機関APP(アジア・ポリシー・ポイント)
の創設者であり強い反日姿勢で知られるミンディ・コトラー氏が意見を述べた。
彼女は日中両国を、格差の拡大、所得の不公平、弱者救済システムの欠如、若年層の就職難、社会不安、
官僚の機能停止、都市と農村経済の格差、犯罪増加と腐敗の8項目で比較し、“日中双方共に”失敗して
いるとして、両国が同じ状況下にあると主張したのだ。
たしかに、日本にも弱者を十分に救いきれていない面はあるだろう。格差もあるだろう。
しかし、上の一連の点で日中両国を同列と見做す現状認識は余りに間違っている。
明らかに中国への傾斜が激しい彼女は、日中摩擦解消の具体策も提言した。
氏は、まず第一に、日本が第二次大戦の敗戦を受け入れ、民主主義へのコミットメントを確認すべきだと
提言した。
第二に、日中双方が“帝国主義時代は終わったと認識すべき”でその観点から領土問題を現実的に解決
せよと主張する。
加えて日本は、アジアの理念的リーダーであるとの主張をやめなければならない(must end)という。
日本の主張はアジアの民主主義諸国にはよく思われておらず、真実でもないからだそうだ。
情報戦に敗れた日本
これほど奇妙な主張があるだろうか。
民主主義へのコミットメントを確認せよとは、中国にこそ言うべきことだ。
アジア各国で日本がよく思われていない事実は存在しない。
反対に日本は非情に高く評価されている。
このことは、同公聴会に出席したマイケル・グリーン国家安全保障会議前アジア部長も証言した。
彼女の意見は噴飯物であるが、日本国政府が深く考えるべき点は、彼女のような公平さを欠いた明らかな
親中国の人物が、公聴会に招かれていることの意味と背景である。
公聴会では委員長のヘンリー・ハイド共和党委員までもが、日本がロシアや韓国、中国、台湾と領土問題
などを抱えているとしたうえで、「これら歴史及び領土問題が未解決な限り、米国のアジア太平洋の運命
(卵)を日本のカゴに入れて托したままでよいのか」と疑問を提起した。
氏は靖国神社の歴史博物館、遊就館は“問題だ”とし、同神社への公式参拝は米英豪などの諸国への
“攻撃”に等しいと述べた。
韓国、フィリピン、シンガポール、ソロモン諸島を訪れたが、これら諸国のだれひとりとして日本を
“(植民地支配からの)解放者”と位置づけた者はいなかったとも語った。
(>>2-5あたりに続きます。)
ソース:櫻井よしこWebサイト!
URLリンク(blog.yoshiko-sakurai.jp)