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◆陳総統:日米との準軍事同盟関係構築の必要性を強調
陳水扁総統は10月9日、国慶節祝賀記念式典に出席するため訪台した日華議員懇談会のメンバーと
会見し、その席で北朝鮮が同日地下核実験を実施したことに触れ、これを強く非難するとともに、日米との
軍事交流を強化し両国と準軍事同盟関係を構築する必要性を強調した。
陳総統は、日華議員懇談会メンバーが毎年にわたり国慶節祝賀記念式典に参加していることに歓迎を
示すとともに、特に今回は安倍首相の就任に祝意を述べた。一方、北朝鮮の地下核実験について、今年
7月に日本海に向けてミサイル試射を行い、アジア太平洋地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらして
からわずか3カ月もたたないうちに敢行したことを挙げ「非常に深刻な挑発行為であり、ふたたび朝鮮半島、
アジア太平洋地域の安定が大きく脅かされた。実験が安倍首相の韓国訪問前日に行なわれたことは非常
に忌忌しきことだ」と述べ、隣国の友好国として政府と国民を代表し、強い懸念と批判を表明した。さらに、
日本政府あるいは民主ブロックが北朝鮮に対しさらに踏み込んだ経済制裁措置を実施した場合、日本と
価値観および安全保障において長期にわたりパートナー関係にある台湾は、日本を含む民主ブロックと
同じ側に立つとの姿勢を強調するとともに「日本と米国は台湾にとって最良の安全保障のパートナーだ。
台湾は日米両国と正式な外交関係はないが、軍事交流や相互協力を強化し『準軍事同盟関係』を形成した
い」と意欲を示した。
陳総統はまた安倍首相の中国および韓国訪問に関し「首相就任後まもなく訪問したことは、首相が両国
との問題を重視していることを示している。隣国の政治指導者が相互に意見交換することにより双方の緊張
緩和と関係修復が図られると信じる。今回安倍首相がいかなる前提も条件も設けずに中国を訪問したことは
大きな前進であり、高く評価したい」との見方を示し、そのうえで両岸においてもいかなる前提も条件も設けず、
接触と対話を行い、協議を再開することに強い期待を示した。
陳総統はこのほかにも、日本政府が昨年2月日米安全保障協議委員会(2プラス2)において台湾海峡の
平和的解決を共同戦略課題に盛り込んだことや2004年の世界保健機関(WHO)年次総会で台湾の
オブザーバー参加に賛成票を投じたこと、日華議員懇談会の平沼赳夫会長をはじめ同会メンバーが日本
政府に台湾からの観光客に対するノービザ措置の恒久化を働きかけ実現させたことなどを挙げ、改めて
謝意を示した。陳総統はさらに「安倍首相には大きな期待を持っている。日本はアジアの民主ブロックの
リーダーであり、安倍首相は世界レベルの政治指導者だ。アジア太平洋地域の平和と安全保障は日本の
安倍首相のリーダーシップのもとに行なわれるのが最も好ましい」との見方を示した。
これに対し平沼会長は、帰国後陳総統の安倍首相への祝意のメッセージを伝える意向を伝えるとともに
「北朝鮮の地下核実験は許せない暴挙であり、世界各国とも厳しい制裁を採るべきだ」と述べた。
会見には呂副総統も同席し、この席で呂副総統は昨年6月に東京で開催された民主太平洋連盟(DPU)
アジア太平洋地域会議での協力に謝意を述べるとともに、DPU加盟国の国会議員からなる「民主太平洋
国会連線」が今年12月に発足することに触れ、同8日~10日に台北で行なわれる設立記念式典に日華
議員懇談会メンバーの参加を呼びかけた。
【総統府 2006年10月9日】
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一方、北朝鮮の地下核実験に関し、外交部は10月9日、プレスリリースを発表し、強い懸念を表明すると
ともに、北東アジアの平和と安全を大きく脅かすものだと述べ強く非難した。そのうえで、北朝鮮が核開発の
道を歩むことを止め、アジア太平洋地域の平和と安定を損なう行為を再び行なわないよう自制を呼びかけた。
また、台湾はアジア太平洋地域の一員として、朝鮮半島や台湾海峡両岸などの地域問題に関しては、
対話と交渉により平和的に解決すべきだとの姿勢を堅持していることを挙げ、北朝鮮に対しただちに交渉の
テーブルに戻るよう呼びかけるとともに、中国に対しては東南沿海地域に配備した台湾に照準を合わせた
ミサイルをただちに撤去し、平和的、理性的な姿勢で両岸問題を解決すべきだと訴えた。
ソース:台湾週報
URLリンク(www.roc-taiwan.or.jp)