06/09/06 21:51:57
日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題で、韓国側が自国領の論拠の一つとしている
江戸時代の絵図「三国通覧輿地路程全図」について、江戸幕府が「地理相違の絵図」として間違った
絵図と認識していたことが、島根大法文学部の舩杉力修助教授の調査で分かった。舩杉助教授は
「幕府が認めていない絵図を基に、領土問題を論議するのは間違い」と指摘している。
絵図は、有事に備え近隣との地理関係を示す地図が不可欠と考えた知識人の林子平が1785年に作製。
異国が日本を襲うといった奇怪な説を著述したことを理由に、幕府から処罰と発禁処分を受けたとされて
きた。
舩杉助教授が文献を調査したところ、林の著書をまとめた「前哲六無斎遺草」に収録されている幕府の
判決文に、罪状には林の自説に加え、「地理相違之絵図」を添えて発行したのが不届き、との記述を見
つけた。
絵図は、地理学者の長久保赤水の日本地図「改正日本輿地路程全図」を軸に、林が作製した四枚の地図
をつなぎ合わせ収録したとされる。日本海に「朝鮮ノ持也」と付記した「竹嶋」と称する島が描かれ、朝鮮半島
と同じ彩色が施されている。
このため、韓国側は絵図を竹島の領有権を主張する根拠としているが、日本側はこれまでの研究で「竹嶋」
は江戸幕府が朝鮮領と認めていた鬱陵島で、現在の竹島とは異なると主張している。
舩杉助教授は、確認した記述を「絵図には誤りがあるとして、幕府が一切認めなかったことを示すもの」とした
上で「それを基に朝鮮領だったと主張するのは意味がない」と指摘している。
ソース
山陰中央新報 URLリンク(www.sanin-chuo.co.jp)