06/09/03 09:08:29
新しい日本の政治リーダーには学習する能力と意欲があるのか、国際社会も
注目しています。歴史を逆転させないか、日本国民の選択にも世界の眼(め)
が光ります。
国の指導者に不可欠な条件は教養と知性、それらを磨くための学習意欲です。
教養と知性こそが状況に柔軟、的確に対応できる下地です。
政治家に必要な教養の第一は歴史に対する認識です。過ぎ去ったことに学ぶ
重要性は、「過去に目を閉ざす者は現在も見えない」というワイツゼッカー元
ドイツ大統領の言葉を借りるまでもありません。
戦前からのリベラリストで、ジャーナリストから政治家に転じた石橋湛山氏が
残した文章の一節を紹介します。
■歴史はドラマチックに
「少なくとも満州事変以来、軍、官、民の指導的地位にあった者は重罪人だ。
然(しか)るにそれらの者が依然として政府の要職にあり、あるいは官民の
指導者顔で平然としているのは許し難い」
石橋氏は一九五六年暮れから病に倒れるまでの二カ月余ながら首相も務めました。
二男が戦死しているのですが、敗戦二カ月後に早くも靖国神社廃止を主張し、その
提言の中にこのように書いたのです。
戦前戦中のまさに「官の指導者」であり、A級戦犯リストにも載った岸信介氏が
その石橋氏の後継首相になったのは歴史の皮肉ですが、終戦記念日に靖国神社
に参拝した小泉純一郎首相は石橋氏の心中を察したことなどないでしょう。
折しも小泉後継の最有力候補は岸氏の孫である、安倍晋三内閣官房長官とされて
います。歴史はドラマチックに展開します。
靖国神社には、戦陣に倒れた人だけでなく、戦争を指導し多くの人を戦場に駆り
出した人も神として祭られています。東京裁判でA級戦犯として有罪になった人
などです。
(>>2以降へ続く)
ソース:中日新聞
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