06/09/01 09:24:34
【噴水台】細作
孫子は戦争で最も良い方法は戦わずして勝つこと(不戦而屈)と言った。 その最上策が
「伐謨」だ。敵の戦意を喪失させることだ。 その次が「伐交」、敵の勢力を味方に引き
込む方法だ。戦争をする「伐兵」は下策、防御だけをする敵を攻撃する「攻城」は下之
下策だ。
伐謨をするには力をつけなければならない。「用間」、すなわち間諜を利用する方法は
ケースによって異なる。孫子は5つに区分した。 敵国の民を利用する「郷間」、敵の
官吏を利用する「内間」、敵の間諜を活用する「反間」、虚偽情報を与えた後、敵に
捕まらせて死なせる「死間」、敵の情報を収集して帰ってくる「生間」だ。
間諜は間者、諜者、五列、または細作と呼んだ。 西洋のスパイだ。細作は東西洋を
問わず、かなり昔から利用された。殷が夏を滅ぼす時には伊摯が、周が殷を平定する
時には呂牙が、それぞれ細作として潜入していた。
『日本書紀』には601年に「新羅(シルラ)の間者である迦摩多を対馬で捕らえた」という
一節が出てくる。日本の忍者は職業的細作だ。 大名から金を受け取って殺人、情報
収集などをした。旧韓末に明成皇后(ミョンソンファンフ)を殺害するなど、朝鮮侵略の
先鋒に立ったのも忍者だった。
赤壁大戦は情報戦の花だ。 魏が送った蔡中・蔡和の兄弟や、呉が曹操に偽りの投降
をさせた黄蓋・カン沢・甘寧は細作の一種だ。 連環計を率いたホウ統も魏としては殺し
たいほど憎い細作だ。その中の白眉は魏と呉が戦わせた諸葛亮。 細作の最高の役割
は‘隔岸観火’できるよう敵の内紛を助長することだからだ。「黄鶴楼で船が転覆するの
を眺める」という中国のことわざも同じ意味だ。
最近、細作が関心を集めている。金大中(キム・デジュン)政府以降初めて北朝鮮の
直派間諜が逮捕された。 人気テレビドラマにも細作が登場している。「ソウル1945」
の女性主人公は女性間諜の金寿任(キム・スイム)がモデルだ。史劇「朱蒙」では漢の
細作が扶餘(プヨ)の金蛙王(クムワァワン)を襲撃する。
ハンナラ党の金容甲(キム・ヨンガップ)議員が李鍾ソック(イ・ジョンソック)統一部長官
を「朱蒙」の細作に例えたが、激しい反発を招いている。韓米同盟を崩そうとする北朝鮮
の意図に巻き込まれるのではないかという憂慮とみられる。しかしその表現が行き過ぎ
て意味のない感情対立に発展し、北朝鮮が隔岸観火するのなら、それも細作の役割を
果たしたことになる。
ソース:中央日報
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