06/08/19 01:19:02
■韓国の新保守主義指導者に聞く 南北統一「時期ではない」
【ソウル=久保田るり子】親北反米色が強い韓国の盧武鉉政権下で生まれた新保守
主義を掲げる「ニューライト運動」が発足から約2年を経て、経済や外交の政策研究、
偏った歴史観を見直す「新しい教科書」の作成など活動の幅を広げ、来年末の次期大
統領選挙へ向け、政治勢力としての可能性を探っている。研究部門の核として今年5
月設立された「ニューライト財団」を率いる安秉直(アン・ビョンジク)理事長(ソウル大
名誉教授)に聞いた。
--韓国のニューライト運動とは
「経済の先進化、政治の民主主義化、市民社会の発展を目指すイデオロギー運動だ。
たとえば(韓国の)オールドライトは開発独裁経済、反共主義だったが、ニューライトは
中産階級の育成、共産党とも共存できる政治体制を目指している。あくまで社会運動
だが、来年の大統領選挙に向けて政策提言も行っていくべきだと考えており、広義の
政治運動でもある」
--その政策提言とは
「韓国の関心事は(国内政治・経済分野)先進化と統一問題だが、これは矛盾する。
先進化の対外的条件は、先進諸国との密接な関係で、特に米韓とは同盟、日韓とは
準同盟であるべきだ。一方の統一問題は民族共助、自主路線であり、米韓関係と南
北関係はダブルスタンダードで両立はしない。韓国が先進化するためには南北交流
推進はやめるべきだ。いまは統一の時期ではない」
--統一問題への視点は
「南北は半世紀以上の分断の歴史から異質化が進んでしまった。交流は始まったが
異質化の克服には20年から30年以上かかる。このことを韓国国民はもっと理解する
必要がある。韓国主導で民主主義統一を進めるためには日米の協力が必要だ。韓国
の(政治・経済的)先進化も必要だ。私はいずれ北朝鮮を共同管理しなければならない
時期が来ると考えている」
--新しい教科書の歴史観は
「これまで(韓国の教科書は)民衆運動史としてとらえられてきた。しかし、歴史は対外
関係から理解しなければならない。日本による植民地支配も経済の面からみれば、市
場経済システム導入も、社会資本の整備や私有財産の制度化も、日本が行った。植
民地時代を切り捨てて、解放後の韓国の近代化は説明がつかない」
--そうした主張は韓国では「親日」との批判を受けるのではないか
「批判もあったが歴史的根拠がはっきりせず、私は大丈夫だ(笑)」
【 >>2-5 あたりへ続く】
▽ソース:産経新聞 2006年8月18日付 6面