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摂理、大学別に勧誘法 時事サークル、引っ越し手伝い…
国内で多くの大学生を信者に引き入れてきたカルト集団「摂理」が、首都圏や西日本の有名大学で今春も
新入生らを対象に進めた勧誘の実態が、集団の内部文書でわかった。大学ごとに「エリート」「純粋」などと
学生気質を分析し、時事問題から地域芸能まで多彩なサークル活動を装って食い込んでいた。
鄭明析(チョン・ミョンソク)教祖(61)=強姦(ごうかん)容疑で国際手配=が直接キャンパスを訪れ、
信者獲得を鼓舞したとされる大学もあった。
内部文書には、東京大、京都大、筑波大、早稲田大、日本大の5大学での勧誘実態が、いずれも4月上旬の
日付で報告されている。
総論の記述では、オウム真理教事件の後、「日本では最初から宗教を持ち出す伝道(勧誘)は難しい」と指摘。
サークルを装って誘い込み、「信頼関係を形成してから」教義を教え込んでいくマインドコントロールの手口を
説いている。
「政治、経済、科学など日本の指導者を輩出する最高学府」。文書でそう評される東京大では、91年から
獲得が始まった信者が近年、約50人に達した。学生について「エリート」「社会を変えたいと野望を抱いている
人が多い」と分析する。
今年に入り、鄭教祖の教えに従って、時事問題を考える偽サークルをつくった。大手企業社員や医師、
弁護士ら東大卒の信者が講師を務め、新入生も多数参加した。昨夏には、海外潜伏中の鄭教祖から激励の
電話があり、信者の現役学生らは「より一層、教祖のために働く決心をし、伝道に励むようになった」と記している。