06/06/14 21:45:25
■中国 真の狙いは「日本の服従」 ~中国系ジャーナリスト分析~
小泉純一郎首相の靖国参拝を中国政府などが非難することに対する国際的考察
として香港出身の中国系ジャーナリストの寥建明氏は中国の真の狙いは日本を服従
させることにあり、参拝中止の要求は不当だとする論文を産経新聞に寄せた。
中国は日本の小泉首相が靖国神社を参拝するたびに、「日本の侵略戦争の美化や
軍国主義の復活」だと糾弾し、「13億の中国人民の感情を傷つけられる」とも非難する。
だがこれほど事実から離反した主張もないだろう。
日中間の靖国問題というのは実は真の問題は日本がなにをするかしないかではなく、
中国がなんであるか、にあるのだ。
中国は日本に対し長い年月、いわゆる「歴史問題」での苦情を表明してきたが、
この苦情は実はきわめて利己的で計算された戦術なのだ。
戦後すでに60年以上が過ぎ、日本が戦前戦時とはすっかり変わり、平和主義的、
民主主義的国家になったことを無視して、中国は「侵略や残虐行為を悔いない日本」
という絵図を描くことに努めてきた。
中国はその時その時の日中間の交渉の対象となりそうな対立案件について日本側から
譲歩を奪い取るために、いつも日本側の戦争への罪の意識を最大限に利用してきた。
シンガポールのリー・クアンユー元首相が最近、小泉首相に語ったように、
中国は靖国問題を使って日本への心理的圧力をかけているだけなのだ。
中国が提起する靖国問題というのは、確かに中国の国民感情や心情にからむ面もあるが、
基本的には加工された問題である。
私自身は小泉首相が昨年10月に5回目の靖国参拝をすませた後に述べた言葉に同意する。
「日本の戦没者への心からの弔意を表することに対し外国政府が日本国民にとって、
それがよいとか悪いとかを述べるべきではない」という趣旨の言葉だった。
では小泉首相あるいはその後継の首相が対中関係を良好にするという目的で靖国問題
などに関してすべて中国側の要求に従って、以下の言動をとった場合を想像してみよう。
まず第一は靖国にもう決して参拝しないと言明することだ。
第二は日中間で摩擦が起きるたびに過去の戦争での侵略や虐殺を謝罪する。
第三は中国が不快だとする歴史教科書はすべて禁止することである。
さて日本が中国にこうした土下座同様の行動をとれば、中国は過去をすべて水に流し、
日本を決定的に許すだろうか。
答えはノーである。
中国は間違いなく「日本は十分に悔いてはいない」と主張するだろう。
日本が国連安保理の常任メンバーになることにも依然、反対する。
中国の潜水艦はなお日本の領海に侵入してくる。
そして日本が中国に十分、追従していないとみなされたときには、昨年春のように反日デモは
いつでも起きてくる。
私も数年前に靖国神社を訪れたことがある。拝む前に賽銭をなげる慣習にも従った。
その際、私は自分のしていることを明確に理解していた。
小泉首相も述べるように「平和のために祈った」のだ。
私もA級戦犯が240万の他の霊とともに合祀されていないほうがよいとは思う。
だがその合祀を含めて靖国で単に祈りをささげれば、私は自動的に軍国主義の支持者となるのか。
そんな考えはナンセンスだ。
>>2以降へ続く
ソース:産経新聞(東京朝刊)3面(ネット上にソースなし。)