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財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定
日本国及び大韓民国は, 両国及びその国民の財産並びに両国及びその国民の間の請求権に関する問題を解決することを希望し, 両国間の経済協力を増進することを希望して,
次のとおり協定した。
第一条
1 日本国は,大韓民国に対し,(a)現在において千八十億円(一◯八,◯◯◯,◯◯◯,◯◯◯円)に換算される三億合衆国ドル(三◯◯,◯◯◯,◯◯◯ドル)に等しい円の価値を有す
る日本国の生産物及び日本人の役務を,この協定の効力発生の日から十年の期間にわたつて無償で供与するものとする。各年における生産物及び役務の供与は,現在において百八億
円(一◯,八◯◯,◯◯◯,◯◯◯円)に換算される三千万合衆国ドル(三◯,◯◯◯,◯◯◯ドル)に等しい円の額を限度とし,各年における供与がこの額に達しなかつたときは,その残額
は,次年以降の供与額に加算されるものとする。ただし,各年の供与の限度額は,両締約国政府の合意により増額されることができる。
(b)現在において七百二十億円(七二,◯◯◯,◯◯◯,◯◯◯円)に換算される二億合衆国ドル(二◯◯,◯◯◯,◯◯◯ドル)に等しい円の額に達するまでの長期低利の貸付けで,大韓
民国政府が要請し,かつ,3の規定に基づいて締結される取極に従つて決定される事業の実施に必要な日本国の生産物及び日本人の役務の大韓民国による調達に充てられるものをこの
協定の効力発生の日から十年の期間にわたつて行なうものとする。この貸付けは,日本国の海外経済協力基金により行なわれるものとし,日本国政府は,同基金がこの貸付けを各年にお
いて均等に行ないうるために必要とする資金を確保することができるように,必要な措置を執るものとする。
前記の供与及び貸付けは,大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない。
2 両締約国政府は,この条の規定の実施に関する事項について勧告を行なう権限を有する両政府間の協議機関として,両政府の代表者で構成される合同委員会を設置する。
3 両締約国政府は,この条の規定の実施のため,必要な取極を締結するものとする。
第二条
1 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ
市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
2 この条の規定は,次のもの(この協定の署名の日までにそれぞれの締約国が執つた特別の措置の対象となつたものを除く。)に影響を及ぼすものではない。
(a)一方の締約国の国民で千九百四十七年八月十五日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産,権利及び利益
(b)一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつて千九百四十五年八月十五日以後における通常の接触の過程において取得され又は他方の締約国の管轄の下にはいつたもの
3 2の規定に従うことを条件として,一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約
国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては,いかなる主張もすることができないものとする。