06/05/24 15:22:06
旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器の処理施設建設をめぐり、中国側が新たな費用負担を日本に求め、
計画が中断状態に陥っていることが23日分かった。日中両政府は昨年10月、建設の事業主体となる「日中連合機構」を設立し、
早期着工を目指すことで合意しているが、中国側の新たな要求で機構設立の覚書締結のめども立たない状態だ。
処理施設は中国吉林省ハルバ嶺に約3000億円をかけて建設する。日本政府関係者によると、
中国は今年3月の協議で森林伐採を名目に追加費用を要求。
建設予定地の森林が政府指定の保安林となっているため、「解除には日本側の負担が必要」と説明したという。
これに対し、日本政府は「法令の根拠が分からず、中国の言うままに負担できない」(内閣府幹部)との立場。
中国側から具体的な金額の提示もなく、真意を測りかねている。
4月に現地視察した超党派の国会議員でつくる「日中新世紀会」の遠藤乙彦会長(公明党衆院議員)は
「施設は危険を伴うため、地元では補償を求める声が強かった。
伐採費用というより補償費という意味合いではないか」と語っている。
97年発効の化学兵器禁止条約により、中国に残した遺棄化学兵器を07年4月までに廃棄する義務が日本に生じた。
これを受け、04年4月に旧日本軍の遺棄化学兵器(推定30万~40万発)の大半があるとみられる
ハルバ嶺に処理施設を建設することで日中両政府が合意。ところが、建設計画の滞りを受け、両政府は今年4月、
処理期限を12年4月まで5年間延期するよう化学兵器禁止機関(OPCW)に申請した。【大場伸也】
毎日新聞 2006年5月24日 3時00分
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